2月28日(水),ホテルラフォーレ東京(品川区)にて,「医療制度改革法が病院経営に及ぼす影響とは?
――日米の医療事情の違いを踏まえて」が(株)アイ・シー・オー主催,シーメンス旭メディテック(株)協賛で開催された。「病院経営戦略にITをどのように組み込むべきか」をテーマに,米国・ニュージャージー州のハッケン
サック大学医療センターの経営陣3名と,マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院客員教授/東京医科大学医療情報学講座客員教授の秋山昌範氏(写真1)が講演を行った。
秋山氏は,「医療崩壊を招かないためのマネジメント」と題し,医療費削減をねらった医療制度改革,およびペーパーレス化が目的の電子カルテシステム導入による医療ITが,医療雑務の増加と診療業務の激務化を招いており,最近多発している医療事故のひとつの要因になっていると指摘した。一方,医療経済の面では,従来電子カルテシステムの箱単位の事後的な物品管理ではなく,リアルタイム性を持ったコミュニケーションツールとしての医療ITにより,1本,1枚,1個単位で物品管理をすることが,病院経営を改善すると指摘。さらに,リアルタイムな物品管理によって,事前にミスを発見することも可能になるなど,リスクマネジメントにもつながるとし,医療ITのより有用な活用法についての考えを述べた。
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