米倉義晴 氏
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落合武徳 氏
(写真2)
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1月26日(金),東京国際フォーラムにおいて,千葉大学と放射線医学総合研究所共催による「遺伝子治療と重粒子線治療の進展」と題した公開市民講座が開催された。これは,文部科学省21世紀COEプログラムに採択されている千葉大学の「消化器扁平上皮がんに対する先端的多戦略拠点形成」プロジェクトでの遺伝子治療と,放射線医学総合研究所が行っている重粒子線治療という2つのがん治療の取り組み,成果を一般市民に紹介するというもの。講演に先立ち,放射線医学総合研究所理事長の米倉義晴氏と千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学教授の落合武徳氏が挨拶した。
遺伝子治療を取り上げた第一部に続いて行われた第二部は,重粒子線治療がテーマとなった。まず,兵庫県立粒子線医療センター院長の菱川良夫氏,群馬大学大学院医学系研究科教授の中野隆史氏が「重粒子線がん治療の普及に向けた取り組み」をテーマに講演。次いで,放射線医学総合研究所重粒子医科学セン ター長の辻井博彦氏が重粒子線治療の現状を紹介した。引き続き,「肺がん」(馬場雅行・同重粒子医科学センター病院第二治療室長),「肝臓がん」(加藤博敏・同重粒子医科学センター病院第一治療室医長),「前立腺がん」(辻 比呂志・同重粒子医科学センター病院第二治療室医長)の成果が報告された。重粒子線治療はこれまで3000名を超える登録患者への治療を実施し,優れた成績を収めているという。
また,この後,重粒子線治療を受けるための流れについて辻氏が説明し,さらに治療中の患者ケアについて,三上恵子・同重粒子医科学センター病院副看護師長が報告した。
講演終了後の会場からは,治療の適応などについての質問が次々に出された。がん治療への国民の意識の高まりや重粒子線治療への期待の高さがうかがえる市民公開講座となった。
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