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(株)島津製作所は,X線を発見したレントゲンの偉業をたたえ,さらに新しい技術の発展に向け決意を新たにするために毎年行っている「レントゲン祭」を2月9日(金)に,同社三条工場(京都市中京区)において開催した。今年で84回目となる。
式典では,松山恒和氏(取締役医用機器事業部長 写真1)が,「X線技術の島津の誇りを胸に,技術に磨きをかけ進歩発展させることにより,医療・社会に貢献すべく,たゆまない挑戦を続けたい」と式辞を述べた後,服部重彦氏(代表取締役社長)により祭詞・献花が行われた。
同社の「Safire」の名称で販売されている直接変換方式FPDを搭載した各X線撮影装置は,2004年に発売されて以来本年3月に納入台数が300台を超える見込みである。Safireは低被曝で高分解能な画像を提供するだけでなく,画像表示が速いため診断の即時性でも高い評価を得ている。さらに,高分解能の特長を生かした“トモシンセス”(1回の断層撮影で任意の再構成裁断面が得られる撮影法)や“コーンビームCT”などといったアプリケーション(ともに本誌2007年2月号にて臨床報告・技術解説を掲載)においても臨床的な評価は高く,同社はFPDのアプリケーション開発においてもマーケットをリードしている。
式典の後の記念講演会においても今西哲雄氏(医用機器事業部技術部課長 写真2)が「SONIALVISION
Safireを用いたトモシンセシスの臨床評価」のテーマで,共同研究を行っているHenry
Ford Health System(米国)と信州大学医学部附属病院のRSNA2006でのトモシンセシス関連の発表内容を紹介した。さらに特別講演では,水田正芳氏(京都府立医科大学附属病院放射線部 写真3)が「RADIOTEX
Safireの使用経験」の テーマで,FPDの概要を説明するとともに,医師・診療放射線技師・患者のそれぞれの立場から見たその有用性を紹介した。
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