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東芝メディカルシステムズ(株)は1月20日(土),東京国際フォーラムにおいて,「放射線部門経営指標ツールを活用した業務改善」をテーマに,第1回目となる「Radiology
Management Innovation」(放射線部門情報マネジメント検討会)を開催した。本検討会は,東芝社製RISのユーザー施設における先進的な事例紹介をもとに施設間での情報交換を行い,放射線部門の情報マネジメントを改善していく目的で立ち上げられた。
はじめに,同社取締役上席常務の勝俣健一郎氏(写真1)が挨拶に立ち,「医療を取り巻く環境の変化に伴い,実効性,効率性,安全性,経営面への貢献など,東芝に求められるものが多様化している。その中で,現場の方と意見を交換し,最適なソリューションを提供していきたい」と述べた。
第1部では,同社の川本卓司氏による趣旨説明が行われ,続いて同社の山室力也氏による「放射線部門経営指標ツール紹介」が行われた。山室氏は,本ツールはRISのデータベースで管理している情報をもとに統計処理を行い,放射線部門に関する経営指標データとして提供するものであると説明した。管理される主なデータとして,検査の実績,タイムスタンプ,カテゴリー別のデータを挙げ,病院ごとに合った使い方が可能であると述べた。
次に,国立病院機構 災害医療センター中央放射線部技師長の大棒秀一氏(写真2)が座長を務め,「放射線部門経営指標ツール事例発表」が行われた。藤田保健衛生大学病院放射線部の桑山喜文氏(写真3)は,「部門経営について」と題して講演。「RapideyeAgent」(東芝社製)の経営指標ツールについて検討した結果を発表し,実施情報をもとに検査実績,効率,機器稼働率などの表示が可能であると述べた。さらに,マスターを追加することで,収支の状況を客観的に解析できるとした。順天堂東京江東高齢者医療センター放射線科の河合 悟氏(写真4)は,「経営支援ツールを用いた患者サービス向上への検討」と題して講演した。河合氏は,待ち時間のリアルタイム表示やWebでの公開,外来での閲覧などが可能になれば,検査時間を短縮する対策が取りやすくなるとの考えを示した。済生会
熊本病院画像診断センターの田上真之介氏(写真5)は,「RISの経営指標ツールを用いた業務分析の検討」について講演。CT部門における人員配置が最適であるかを検討した結果を示した。また,検査数の各時間帯における分布や2006年度診療報酬改定による収益の増減などを報告し,業務の傾向を明確に把握できたと評価した。
第2部でも大棒氏が座長を務め,特別講演が行われた。同社SI事業部の相田聡氏(写真6)は,「DPC時代に求められる放射線部門のマネージメント」と題して講演を行った。DPCにより入院中の検査が包括化されることで,「検査」が「コスト」として認識される可能性があるとし,放射線部門には存在価値を説明していくことが求められると述べた。国立病院機構
災害医療センター中央放射線部の麻生智彦氏(写真7)は,「RISの有用性/RISに期待すること」をテーマに講演。RISとは情報伝達ツールであるとし,放射線部門に限らず院内の有用な情報を備えていくことがRISの課題だと述べた。また,今後はユビキタス環境下で,RISがシームレスなシステムとなるよう,さらに進歩していくことを期待すると締めくくった。
第3部のディスカッションでは,仕様やサポートなどについて,ユーザーから同社に対しての要望が寄せられた。
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