取材報告

2007
JIRA猪俣会長,2007年 年頭所感を発表
(JIRAからのお知らせ)

会場風景


猪俣 博JIRA会長
猪俣 博JIRA会長
(写真1)

 毎年恒例の社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)会長・猪俣 博氏(写真1)の年頭所感の発表が1月11日,KKRホテル東京において行われた(要点抜粋)。

 最近の医療を取り巻く状況は,望まれる医療レベルと社会的支出として耐えうる医療費のバランスの中で,医療費抑制政策により大変厳しいものとなっております。日本においては,少子・高齢化社会に入り,総人口の横ばい,さらに社会を支える労働人口の減少問題がクローズアップしております。このような状況において,より質が高く,安全で患者さまに優しい医療への取り組みが求められています。平成17年4月施行の薬事法改正では,規制がより厳しく,きめ細かいものとなり,さらに平成18年4月より医療費を−3.16%とする診療報酬改定が実施されました。

 こうした状況下,画像医療システムの国内市場は,平成18年上期MRI,CTを中心に堅調に伸びたものの,一般X線透視撮影装置,乳房用X線撮影装置,関連用品は減少または横ばいにとどまりました。加えて,ここ数年来,機器の買い替え年数が伸びる傾向にあり,医療機器の安全確保・維持管理の課題が重くのしかかっています。一方,薬事法改正後3年目となりますが,長い申請承認期間,申請費用の増大など運営面で課題を残しております。そして何よりも,診療報酬制度上,画像医療システムの評価が明確になっておらず,安全で効率的な画像医療システムの開発と臨床での活用にインセンティブが働きにくいなど多くの問題があります。効率的で人に優しい医療を機能させていくために,医療制度全体の見直しが必要と考えられます。JIRAはこれらの問題解決に向け,患者さまの視点に立って関係団体との連携を図りつつ,行政に積極的な提言を行ってまいります。また,それらの提言へ多くの皆さまのご理解を得るためのアピール活動を強化いたします。その 一例として昨年4月には,『画像診断機器関連産業2006』を創刊いたしました。今後も継続して発行を予定しております。

 業界を取り巻く事業環境の大きな変化のなか,平成19年のJIRAの重点活動方針を次のとおり定め,JIRA会員が一丸となって取り組む所存であります。

1.診療報酬における医療機器の適正評価および積算根拠の明確化への提言
 ・医療機器の総合的評価手法の体系化
 ・安全対策・維持管理コストの明文化
 ・IT化促進を踏まえた医療機器の評価確立
2.医療関連法対応の推進,整備・整合への提言
3.次期医療機器産業ビジョンへの施策提言と策定協力
4.国際活動の活性化
5.外部への積極的提言と広報活動の活性化
6.コンプライアンスの徹底
7.会員企業間の連携強化と基盤サービスの充実

 これらの推進とそれぞれの成果を生むためには,行政・関連学会・関連業界団体などとの連携を一層密にし,グローバルでスピーディな活動を展開していくことが必須であると認識いたしております。JIRAは一致団結して自らの役割を果たし,真に国民の健康とQOL向上に貢献していく所存です。関連する皆さまのご理解とご協力をお願いして,年頭のご挨拶といたします。


●問い合わせ先
社団法人 日本画像医療システム工業会(JIRA)総務部
TEL 03-3816-3450(代)
http://www.jira-net.or.jp