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MR Signa ユーザーズミーティング「Signa甲子園・全国大会」とGE横河メディカルシステム(株)の最新技術発表会が,12月2日(土),都市センターホテル(千代田区)にて開催された。全体を二部構成として,第一部で「Signa甲子園・全国大会」が行われた。「Signa甲子園」は,「Signa」シリーズのユーザーが創意工夫,実現性を反映した画質撮像技術を競い合うイベントであり,全国のSignaユーザーの交流の場として開催されている。今回は初めての全国大会として,北海道,東北,関東,中部,関西,中四国,九州の7ブロックから選出された9名による発表が行われた。コンテストの選考は,各ユーザーズミーティングがら選ばれた22名の審査員が,画質,創意工夫,実現性の3つの観点からそれぞれ5点満点で採点,また,一般参加者が発表者1名に票を投じる方式で行われた。
金賞を受賞したのは,「Smart Step を用いた肝臓Dynamic Scan」と題して講演を行った北茨城市立総合病院の臼庭 等氏(関東ブロック代表 写真2)。Smart
Stepと3D-TOF Fast SPGRを組み合わせて,k-Space Orderingを変化させることで,肝臓の5
Phase スキャンが可能になったと述べた。また,各Phaseで時間分解能,空間分解能を優先したプロトコールでスキャンできたと報告した。さらに,本方法は,特別なソフトウエアを必要としない検査方法であることを強調した
。青森県立中央病院の佐藤兼也氏(東北ブロック代表 写真3)は,「MOTSA
3D-TOFにおける血管欠損の改善方法」と題した発表で銀賞を受賞した。同氏は3D-TOFにおいて流速を把握することは大変重要であると述べ,2D-PCでVENCの設定を100cm/sと60cm/sにして撮像をすることで,短時間で容易に視覚的な流速判定が可能になると講演した。また銅賞は,札幌医科大学医学部附属病院の鈴木淳平氏(北海道ブロック代表 写真4)が受賞した。発表テーマは,「1mmの脳metaも見逃すな!! ~転移性脳腫瘍の検出における3D
SPGRの有用性~」。鈴木氏は,3D SPGRでthin Slice ボリュームデータを取得することにより,スピンエコーでは見逃してしまうような小さな転移も検出可能であると述べた。第一部の最後には,北里大学病院の秦 博文氏(写真5)による特別講演「躯幹部における非造影MRAについて」が行われた。
第二部「GE Healthcare MRI 最新技術発表会」では,同社MR Sales
& Marketing部営業部長の森 達彦氏(写真6)が,RSNA2006で同社が展示した機器の紹介などを行った。また,東京慈恵会医科大学附属第三病院の渋谷一敬氏(写真7)による特別講演「Signa
HDx 1.5Tの初期使用経験」も行われた。
●コンテストプログラム(敬称略) |
司会:津田英二(東京医科大学付属八王子医療センター)
尾崎正則(北里大学病院)
1. 1mmの脳metaも見逃すな!!
~転移性脳腫瘍の検出における
3D SPGRの有用性~
鈴木淳平(札幌医科大学医学部附属病院)
2. MOTSA 3D-TOFにおける血管欠損の改善方法
佐藤兼也(青森県立中央病院)
3. Smart Stepを用いた肝臓 Dynamic Scan
臼庭 等(北茨城市立総合病院)
4. 持続静注法を用いた高分解能画像
平野謙一(国家公務員組合連合会 横浜栄共済病院)
5. 骨盤部造影 MRA
~子宮動脈塞栓術(UAE)の術前プランニングとして~
日比野友也(総合大雄会病院)
6. 呼吸ガイドによる,MRCPの画質向上
小林 篤(山田赤十字病院)
7. 2D VenographyとSASのfusion画像による術前シュミレーション
狩口秀春(順心会 順心病院)
8. 簡単にできる!術前の腫瘍位置確認(造影 3D MR)
福永健哉 (もみのき病院)
9. TRICKS法を用いた生体移植腎動脈の評価
黒岩靖淳(医療法人同心会 古賀総合病院) |
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