取材報告

2006
フィリップスが
「Parallel Imaging Symposium Tokyo 2006」を開催

会場風景
会場風景

 (株)フィリップスエレクトロニクスジャパンメディカルシステムズは9月30日(土),東京コンファレンスセンター(品川)にて,「Parallel Imaging Symposium Tokyo 2006」を開催した。本シンポジウムは年に2回,東京と大阪で開催され,今年で5年目を迎える。今回は東北大学医学部附属病院放射線診断科教授の高橋昭喜氏が代表世話人を務め,全体を3部構成として8名の講演が行われた。

 第1部トピックスでは,東海大学の飯野美佐子氏が急性期心筋梗塞におけるMRIの撮像法を比較した結果について講演した。飯野氏は,T2強調画像と遅延造影により急性期心筋梗塞のさまざまな病態をとらえることができたと述べた。しかし,超急性期の検査には限界があるとし,さらに多くの病態の発見には今後の撮像法の工夫と開発が期待されるとまとめた。続いてMaastricht UniversityのRobbert Nijenhuis氏が,脊髄血管造影法の方法と応用について発表。adamkiewicz動脈を対象に行ったMRAに関し,DSAやCTAとの比較を交えて紹介した。

 第2部特集:脳神経では,東北大学の日向野修一氏がPRESTO を用いたSWIについて,その基礎的研究の結果や臨床応用の可能性を述べた。また,京都大学の三木幸雄氏は,3T MRIを用いた拡散テンソルtractographyについて講演した。神経繊維束の描出は1.5T MRIに比べ3T MRIの方が良好であるとし,tractographyを導入した手術支援,脳動脈奇形(AVM)におけるtractography描出の変化,MPG軸数の違いによるtractographyの相違について3T MRIを用いて検討した結果を報告した。また,三木氏は,parallel imagingはtractographyの画質を向上させる上で非常に重要であると述べた。九州大学の吉浦 敬氏は,DDFに基づくtractography法を開発し,錐体路の描出を従来法と比較した結果と,皮質変性の間接的な描出を目的とした白質のdiffusivityマッピング法の開発と応用について研究成果を発表した。

 第3部Body Diffusionでは,東海大学の室 伊三男氏が,EPI-body diffusionの歪みとzebra-artifactについて,その原因と軽減方法を診療放射線技師の立場から技術的な内容の発表を行った。次いで熊本中央病院の片平和博氏は,「前立腺癌における拡散強調画像の有用性」と題して,多くの症例写真を紹介しながら拡散強調画像,T2強調画像,dynamic studyについて,撮像法の選択や読影におけるポイントを紹介した。また,国立がんセンター東病院の那須克宏氏は,肝悪性腫瘍の拡散強調画像について講演し,拡散強調画像の最大の強みは拾い上げ能力であるとした上で,T1,T2強調画像を併せて確認することで小さな病変を見つけることができると述べた。

第1部 トピックス
今井 裕 氏
座長:今井 裕 氏
(東海大学)
   
飯野美佐子 氏 飯野美佐子 氏
(東海大学)
Robbert Nijenhuis 氏 Robbert
Nijenhuis 氏
(Maastricht University)
第2部 特集:脳神経
高橋昭喜 氏 代表世話人・座長:
高橋昭喜 氏
(東北大学)
日向野修一 氏 日向野修一 氏
(東北大学)
三木幸雄 氏 三木幸雄 氏
(京都大学)
吉浦 敬 氏 吉浦 敬 氏
(九州大学)
第3部 Body Diffusion
市川智章 氏 座長:市川智章 氏
(山梨大学)
桑鶴良平 氏 座長:桑鶴良平 氏
(東京女子医科大学)
室 伊三男 氏 室 伊三男 氏
(東海大学)
片平和博 氏 片平和博 氏
(熊本中央病院)
那須克宏 氏 那須克宏 氏
(国立がんセンター
東病院)
   

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