取材報告

2006
シーメンス旭メディテック,
Tim搭載3T MRを体験するプレスツアーを開催
国内第1号機を導入した磯部クリニックを見学

磯部クリニックで稼働している3T MR「MAGNETOM Trio,A Tim System」
磯部クリニックで稼働している3T MR「MAGNETOM Trio,A Tim System」

磯部逸夫 氏
磯部逸夫 氏
(写真1)

綾戸隆明 氏
綾戸隆明 氏
(写真2)

Tony Enright 氏
Tony Enright 氏
(写真3)

 シーメンス旭メディテック(株)は9月13日(水),「本格稼働を開始した3T MRを体験〜Trio,A Tim System国内1号機のご紹介〜」と題したプレスツアーを開催した。会場となった磯部クリニック(磯部逸夫院長(写真1),埼玉県深谷市新井926)は,2005年12月に同社の3T MR「MAGNETOM Trio」の国内第1号機を導入し,2006年6月にはTim(Total imaging matrix)が搭載され,国内初の「MAGNETOM Trio,A Tim System」が稼働を開始した。Tim搭載前に2000件以上,搭載後には700件以上のスキャンを行っており,すでにさまざまな部位で成果を上げつつある。今回のプレスツアーは,磯部院長から同装置の使用経験が報告されるとともに,参加者の体験スキャンを通して,Tim搭載3T MRの有用性を実感してもらうことが目的となっており,3T MRのさまざまな課題を解決するTimの最新技術が具体的に紹介された。

 はじめに,シーメンス旭メディテックマーケティング本部MRグループ長の綾戸隆明氏(写真2)が,「MAGNETOM Trio,A Tim Systemの特長と国内市場」について述べた。MAGNETOM TrioにTimが搭載されたことで,MAGNETOM Avanto,MAGNETOM Espreeといった同社MRの主力商品すべてにTimが搭載されたと報告。佐賀大学医学部附属病院や信州大学医学部附属病院など4施設で,新たにTim搭載3T MRの稼働が予定されており,今後1年間の販売目標は25台であると述べた。

 来日した,Clinical Marketing & Collaboration Manager Siemens Medical Solutions,Siemens AGのTony Enright氏(写真3)は,Trio,A Tim Systemの最新技術について詳 述した。TrioにTimを搭載したメリットとして,(1)最大102個のマトリックスコイルエレメントにより,全身の撮像を一 度で行うことができる,(2)高いS/Nを生かし,最大16倍速での撮像が可能,(3)全方向,あらゆる断面でのパラレルイメージングが可能,(4)0.9mmの等方型ボクセルでの3Dの短時間収集が可能,などを挙げ,臨床における3T MRの有用性が高まるなど,Trio A,Tim Systemは次世代の装置になると述べた。

 磯部クリニックの磯部氏は,「Tim搭載3T MRがもたらす新たな臨床応用」と題して,Tim搭載前後の臨床における変化などについて報告した。Tim搭載前には決して満足な画像が得られているとは言えなかった腰椎や腹部領域の画質が劇的に向上しており,コイル交換の手間が大幅に軽減されたことでスループットが向上したと述べた。また,MRスペクトロスコピーが容易に行えるようになり,今後のクリニックの運営にも,さまざまな可能性が広がったと述べた。

MAGNETOM Trio,A Tim Systemの見学風景
MAGNETOM Trio,A Tim Systemのコンソール
MAGNETOM Trio,A Tim Systemの見学風景
スパインマトリックスコイルが寝台に内蔵されており,前面コイルも軽量化されているため患者へのセッティングが容易で,診療放射線技師の負担が大幅に軽減されていることなどが説明された。
  MAGNETOM Trio,A Tim Systemのコンソール
撮像の角度を事前に登録することで,技師がコンソールに触れることなく位置決めが自動で行われる。撮像条件も登録されているため,操作が不慣れでもスムーズに検査を行うことができるという。

体験スキャン風景
体験スキャン風景
プレスツアーの参加者が実際に3T MRでの撮像を体験。撮像時の音や温感,磁場酔いなど,安全面の問題もなく,スキャンは無事終了した。

●問い合わせ先
シーメンス旭メディテック(株)
マーケティング本部:平山
TEL03-5423-8340
http://www.med.siemens.co.jp