6月8日(木),英国ロンドン大学病院消化器系放射線科医・上級講師Dr.
Stuart A. Taylorの来日講演会“CTコロノグラフィ特別講演会”が,国立がんセンターがん予防・検診研究センターにて行われた。Dr.
Taylorは,最近,欧米で急速に広がりつつあるCTコロノグラフィの先駆者として知られ,大腸ポリープにおけるコンピュータ支援診断(computer-aided
detection:CAD)の分野では指導的な立場で欧州で活躍している研究者だ。
本講演会でDr. Taylorは,欧米におけるCTコロノグラフィの現状や,CADの基礎および臨床に応用可能なシステムの開発などについて講演をした。その中で,CADによって,十分なトレーニングを積むことができることや,一定したendoscopic
feedbackがあること,そして二次読影に適していることなどの有用性が得られると述べた。
Dr. Taylorの講演終了後,国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診部総合検診室の 飯沼 元室長が,Dr. Taylorと英国Medicsight社による共同開発中のCADシステム用ソフトウエアのデモンストレーションを,同センターの実際の症例を用いて行った。また,飯沼室長は現在CADの研究開発を行っている同センターがコマーシャルベースの評価を得るために,Dr.
TaylorとMedicsight社の共同研究へ参加することを発表し,日本でも受け入れられるような検査型のCADシステムを開発していきたいと抱負を述べた。
放射線科医の不足,業務負担増が深刻な問題となっている現状を打破すべく,Medicsight社と国立がんセンターの共同研究による,CAD開発に期待が集まる。
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