富士写真フイルム株式会社は，新研究拠点となる「富士フイルム先進研究所」（神奈川県足柄上郡開成町，総面積5万6000m2）の開設にあたり4月12日（水），開所式を開催した。同研究所は，富士フイルムグループの研究開発の中核基地として建設されたもので，フォトニクス，ナノテクノロジー，機能性材料などの開発を行う「先端コア技術研究所」，有機エレクトロニクス分野やメディカル・ライフサイエンス分野における高機能性有機材料の研究開発を行う「有機合成化学研究所」，ヘルスケアなどの医療，健康に関するコア技術や商品開発を行う「ライフサイエンス研究所」の，3つの研究所と複数のプロジェクトチームから構成されている。

　開所式には，神奈川県知事の松沢成文氏や開成町長の露木順一氏をはじめ，建築関係者や報道関係者など約150名が参加し，盛大に行われた。挨拶に立った代表取締役社長の古森重隆氏は，「この研究所は，“融知”，“創新”，“創価”がコンセプトである。異なる機関がさまざまなプロジェクトを通じて相互の技術を融合させ，高機能材料，デバイス，ライフサイエンスなどの分野を中心に，幅広い技術を生かして，ほかのメーカーにはまねのできない差別化技術を開発していきたい。また，全社横断的な研究開発を進めていきたい」とし，新たな成長戦略の推進に向けた意気込みを述べた。

　研究所では今後，独自の先進技術の開発と顧客ニーズを実現する独創的な製品やサービスを提供することで，文化・科学技術・産業・健康・環境保護などの側面から社会に貢献することをめざす。

有機合成化学研究所の研究室 実験室と居室は強化ガラスで仕切られ，研究員同士がコミュニケーションを図れるようオープンな設計となっている。