1994年に発足した「胸部CT検診研究会」は2006年1月から「日本CT検診学会」に名称を改め,さらに東京都から,NPO法人としての認可も正式に取得した。胸部CT検診による肺がんの早期発見をめざして続けてきたさまざまな活動や研究が,急増する肺がんの死亡率を減少させるという成果に結びつくきざしが見えてきたようだ。
NPO法人として初の第13回日本CT検診学会学術集会が2月10日(金),11日(土)の2日間,ぱ・る・るプラザ千葉(千葉市)において開催された(大会長:長尾啓一・千葉大学総合安全衛生管理機構)。本大会では,肺がんに加えて慢性閉塞性肺疾患のCT検診による発見と予防も視野に入れ,禁煙推進活動も行っていくことを打ち出した。また,「胸部CT検診での認定制度の可能性」をテーマにしたシンポジウムが行われ,CT撮影専門技師,CT画像読影スクリーナ,CT画像読影専門医師,精度管理主任者の認定に関するさまざまな課題が議論された。乳がんのマンモグラフィ検診における認定制度と精度管理を手本に,胸部CT検診に認定制度を導入することが検討されているものだが,特に診療放射線技師が一次読影を担うCT画像読影スクリーナが議論の的となった。これは,読影医の負担を軽減し,精度を維持しつつ効率良く検診を行うことが目的とのことだが,スクリーナのエビデンスや養成に関しては課題が多く,検討を続けていく。今回のNPO法人化は,胸部CT検診の認定制度導入を見据えたものだと,金子昌弘会長(国立がんセンター中央病院内視鏡部 写真1)は述べている。今後の議論が注目されるところだ。
次回,第14回日本CT検診学会学術集会は2007年2月16,17日,楠洋子大会長(近畿中央胸部疾患センター)のもと,大阪国際会議場にて開催される。
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