会場風景
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鈴木正寛 氏
(写真1)
和田秀樹 氏
(写真2)
中川恵一 氏
(写真3)
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医療関係者と一般参加者が緩和ケアについて共に学び考える,「第8回本郷緩和ケア研究会」が1月18日(水),東京大学医学部鉄門記念講堂で開催された。
日本のがん医療は治癒率の向上に重点が置かれており,「緩和ケア」への取り組みが遅れているのが現状である。そこで今回は,患者のQOL向上には欠かすことのできない痛みの除去について,東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンターの鈴木正寛氏(写真1)が,「がんの痛みをとる」と題して講演を行った。日本では,医師と患者自身の薬物療法への理解不足から,多くの患者が痛みに耐えざるを得ない状況であるとし,正しい鎮痛薬の使用法について詳述した。
特別講演では,国際医療福祉大学教授で,老年精神医学などを専門とし,執筆・講演などで幅広く活動する精神科医の和田秀樹氏(写真2)が,「日本人と老い」をテーマに老年医学のあり方について述べた。日本では,がんと同様に老年性疾患患者へのケアが進んでおらず,予防や治療にのみ重点が置かれていると指摘した。また,現代の予防医学は必ずしも高齢者に適したものではないことから,老年医学について再考する必要があるとの考えを示した。続いて,本会世話人の一人であり,東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部部長の中川恵一氏(写真3)と和田氏との対談も行われ,参加者の質疑も交えて,緩和ケアに関する活発な意見が交わされた。
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