取材報告

2005
TOSHIBA Made for Life 画論 The Best Image 2005
「夢みる力」―時空をイメージングするテクノロジーの進化―

受付風景
受付風景


ザ・ベストイメージ2005表彰式
ザ・ベストイメージ2005
表彰式

ザ・ベストイメージ・審査員の先生方
ザ・ベストイメージ・
審査員の先生方

賞状授与
賞状授与

ザ・ベストイメージディスカッション風景
ザ・ベストイメージ
ディスカッション風景

桂田昌生取締役社長
桂田昌生
取締役社長
(写真1)


似鳥俊明 氏
MR講演
座長:似鳥俊明 氏
(写真2)


原留弘樹 氏
原留弘樹 氏
(写真3)


栗林幸夫 氏
CT講演
座長:栗林幸夫 氏
(写真4)


森山紀之 氏
森山紀之 氏
(写真5)


片田和廣 氏
片田和廣 氏
(写真6)

 東芝メディカルシステムズ(株)は 12月11日(日),東京プリンスホテル パークタワー(東京・港区)にて,「画論 The Best Image 2005」を開催した。臨床現場とエンジニアのコラボレーションによる画像医学の発展への貢献を目的とする画論は,13回目を迎えた。毎回レベルアップするザ・ベストイメージへの応募作品数は増え続け,今回は386施設の応募で62施設が受賞した)。8〜64列のマルチスライスCT部門に,心臓領域での応募が増えてきたため,今回から心大血管部門が新たに設けられた。審査員の総評では,マルチスライスCTの使い方が進化し,表現の優れた作品が多く,特に心臓領域では,心臓カテーテル検査では得られない画像(情報)を得るための技術的工夫が多く見られたとした。MR部門では,ボディディフュージョンや非造影の作品が,2004年に引き続き多く見られ,それらのルーチン化が進んでいるとした。

 受賞者からの発表とディスカッションの後,「日本発,世界をリードするメディカルソリューション」と題して桂田昌生取締役社長(写真1)より,装置の基本性能の向上とともにアプリケーションの強化による臨床現場への貢献など,東芝メディカルシステムズのビジョンが述べられた。

 後半の“画論ザ・ベストストラテジー”と銘打った講演会では,最初に原留弘樹氏(杏林大学医学部放射線医学教室助手 写真3)が,「Body Diffusionの有用性と最新動向〜腹部領域を中心に〜」をテーマに講演を行った。原留氏は,腹部のディフュージョン(DWI)について,3軸収集(Isotropic DWI)と6軸収集(Tensor DWI)の違い,呼吸停止法,呼吸同期法,自然呼吸下法(DWIBS)の撮影・観察方法とそれぞれの特徴,さらにバッ クグラウンドの信号抑制としてIR法(STIR法),CHESS法,PASTA法,PASTA法+IR法併用などの各脂肪抑制法の紹介を行った。そして,読影の容易なBody Diffusionには,描出能を超えた有用性があるとした。さらに,DWIにおける造影剤(SPIO)効果やマルチコイル開発,3T MRIによる描出能の向上などに期待すると述べた。

 CTの講演では,最初に森山紀之氏(国立がんセンター中央病院がん予防・検診研究センター長 写真5)が,「さらに細かく〜CTの高分解能化への期待〜」のテーマで講演した。森山氏は,人体のさらなる微細な構造を見たいという要求はCTの性能の向上にあいまって強くなってきており,がん診断の観点から見ても病理に迫る画像を得ることは,有用性が非常に高いとした。そして,従来のマルチスライスCT(0.5mmスライス厚,面内空間分解能350μm)に比べて格段に分解能の高い,高分解能(マイコロスコピック)CTについて紹介した。高分解能CTは0.25mm×4スライスの検出器を用い,X線管球の焦点を通常の約1/3にすることなどにより現在,面内空間分解能 140μmを実現しているとした。さらに,将来は70〜80μmをめざすという。

 最後に片田和廣氏(藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室教授 写真6)が,「さらに広く〜マルチスライスCT進化論/CTの将来〜」のテーマで講演した。

 CTは究極のX線撮影装置であると語る片田氏は,CT技術の開発からヘリカルCT・マルチスライスCTに至る歴史を振り返りながら,256列の面検出器CT開発の目的は,上・下端での時相の違いが生じるヘリカルスキャンから脱却し,ボリュームデータの等時相性を確立することにあると述べた。さらに,同じ回転速度で高い時間分解能を得ることができる2管球-2検出器CT,あるいは3管球-3検出器CTのマルチスライスCTのメリットについても言及し,X線源ごとに異なるエネルギーを利用することで組織の鑑別や定量化を行うDual Energy Scan技術を紹介した。そして,CTの将来展望は,面検出器CT,マルチソースCT(2, 3管球CT),高分解能CT,2層検出器CTのすべてが融合した面検出器・複数X線管CTであると語った。

ザ・ベストイメージ2005 審査員
●MR部門
似鳥俊明(杏林大学医学部放射線医学教室教授)写真2
扇 和之(日本赤十字社医療センター放射線科副部長)
小林泰之(聖マリアンナ医科大学放射線医学教室講師)
●CT部門
片田和廣(藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室教授)写真6
栗林幸夫(慶應義塾大学医学部放射線科学教室教授)写真4
森山紀之(国立がんセンター中央病院がん予防
      ・検診研究センター長)写真5
受賞施設

●8ー64列部門
【最優秀賞】国家公務員共済組合連合会 三宿病院
【優秀賞】
東大阪市立総合病院/社団法人全国社会保険協会連合会 社会保険京都病院/社団福祉法人恩賜財団 済生会広島病院/慶應義塾大学病院/榛原町立榛原総合病院
【準優秀賞】
医療法人豊田会 刈谷総合病院/医療法人十字会 野島病院/学校法人順天堂大学医学部附属順天堂医院/徳島大学病院/医療法人社団 墨田中央病院/国家公務員共済組合連合会 三宿病院/大垣市民病院/公立学校共済組合 東北中央病院/医療法人共愛会 戸畑共立病院/兵庫県立成人病センター

●8ー64列部門(心大血管)
【最優秀賞】岩手医科大学附属循環器医療センター
【優秀賞】
医療法人楽山会 せいてつ記念病院/大阪府三島救命救急センター/自治医科大学附属 大宮医療センター/学校法人順天堂大学医学部附属順天堂病院
【準優秀賞】
慶應義塾大学病院/静岡県立総合病院/岩手医科大学/市立三次中央病院

●2/4列部門
【最優秀賞】北海道社会事業協会 函館病院
【優秀賞】
特定医療法人社団 カレスサッポロ北光記念病院/医療法人彰和会 北海道消化器科病院
【準優秀賞】
特定医療法人ジャパンメディカルアライアンス 東日本循環器病院/さいたま市立病院/医療法人おだうじ会 小田病院/財団法人 倉敷中央病院/杏林大学医学部付属病院/谷村外科胃腸科医院/医療法人東和会 第一東和会病院/医療法人社団日高会 日高病院

●シングル部門
【最優秀賞】 医療法人積発堂 富永草野病院
【優秀賞】 新潟県厚生農業協同組合連合会 佐渡総合病院
【準優秀賞】 財団法人厚生年金事業振興団 玉造厚生年金病院

●1.5テスラMR部門
【優秀賞】
医療法人顕正会 蓮田病院/医療法人社団清風会 五日市記念病院/東海大学医学部付属大磯病院/聖マリアンナ医科大学病院/財団法人倉敷成人病センター/東海大学医学部付属大磯病院
【準優秀賞】
青森市民病院/公立刈田綜合病院/白根保健生活協同組合 白根健生病院/財団法人船員保険会 横浜船員保険病院/医療法人共愛会 戸畑共立病院/鈴木脳神経外科クリニック/利根保健生活協同組合 利根中央病院/加須市医療診断センター/特定医療法人敬愛会 中頭病院

●1.0テスラMR部門
【最優秀賞】 松江赤十字病院
【優秀賞】
横浜鶴ヶ峰病院/社会福祉法人恩賜財団 済生会若草病院
【準優秀賞】
社会福祉法人恩賜財団 済生会若草病院/社会福祉法人湘南福祉協会 湘南病院

●0.5/0.35テスラMR部門
【最優秀賞】
東京都情報サービス産業健康保険組合 東中野保険センター
【優秀賞】 医療法人社団樹章会 本永病院
【準優秀賞】 水沢市国民健康保健 総合水沢病院


●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ株式会社
広報室
〒113-8456 東京都文京区本郷3-26-5
TEL 03-3818-2040 FAX 03-3814-6170