会場風景
|
中村仁信 氏
(写真1)
|
小松研一 氏
(写真2)
|
|
東芝メディカルシステムズ(株)では,最近のPET検診への関心の高まりなど,がんの診断や治療に対する注目度が高まっているとして,CT,MRI,PET-CTでのOncology
Imagingを中心に,治療まで対象にしたAdvanced Clinical Seminar
2005――The Best Strategy「Oncology Solution」を9月10日,大阪国際会議場(大阪市北区)において,中村仁信氏(大阪大学大学院医学系研究科放射線医学講座教授,写真1)を代表世話人に開催した(参加者数:約300名)。
まず最初に,小松研一氏(東芝メディカルシステムズ(株)取締役上席常務,写真2)が挨拶に立ち,続いてマルチスライスCTをテーマに3つの講演が,友田 要氏(大阪大学医学部附属病院放射線部助教授,写真3)を座長に行われた。1題目の大野良治氏(神戸大学大学院医学系研究科生体情報医学講座放射線医学分野学術推進研究員特命助教授,写真4)のテーマは,「MSCTによる胸部腫瘍性疾患の診断」。Oncology
ImagingではCTがすべての基盤になる技術であるとして,マルチスライスCTの開発動向,各種再構成画像を用いた診断,低線量による効率的なスクリーニング,CADシステムの開発動向,他の放射線診断法とのFusion
imagingなどについて述べ,その有用性を紹介した。2題目の前谷洋爾氏(京都大学大学院医学研究科放射線医学講座核医学・画像診断学助手,写真5)のテーマは,「Multi-slice
CTによる肝細胞癌の検出能〜生体肝移植における摘出肝を用いた検討〜」。生体肝移植における摘出肝を対象として,8列のマルチスライスCTによる径1cm以上のHCCの診断能の評価を行い,高い正診率(97%)を得られるとした。さらに,64列のマルチスライスCTであれば,1cm未満のHCCに対しても診断能の向上が期待できるとした。3題目の松木 充氏(大阪医科大学放射線医学教室講師,写真6)のテーマは,「腹腔鏡下胃癌,大腸癌手術に対するMultiphase
fusion画像の有用性」。術野全体をとらえることが困難である腹腔鏡下胃癌,大腸癌手術において,血管や周囲臓器への損傷を防ぐために精度の高い3D-CT画像を活用し,時相のボリュームデータを融合させるMultiphase
fusion機能による動静脈あるいは尿管,リンパ節の融合画像を用いることの有用性を紹介した。
西村恒彦氏(京都府立医科大学大学院医学研究科放射線診断治療学教授,写真7)を座長に行われたMRとPET-CTの講演では,最初に原留弘樹氏(杏林大学医学部放射線医学教室助手,写真8)が,MRで話題の「Body
Diffusionの臨床的有用性」について講演。腹部領域において,DWI法が病変描出や解析にさまざまな有用性があるとして,特に悪性病変における非常に高い病変検出能,良性・悪性の鑑別,治療後の効果判定などで有用であるとした。PET-CTでは,井上登美夫氏(横浜市立大学大学院医学研究科放射線医学教授,写真9)が「PET-CTによる臨床と将来」のテーマで講演。HiRez-LSO検出器を用いた3D収集のPET装置と16列マルチスライスCT(Aquilion16)とを組み合わせたPET-CT装置「Aquiduo」を紹介した。PETとCTとのfusion画像の有用性と,撮影および画像再構成上の課題,造影CT検査を組み入れる適用疾患などに言及した。
最後に上紺屋憲彦氏(兵庫医科大学放射線医学助教授,写真10)を座長に,植松 稔氏(慶應義塾大学医学部放射線科学専任講師,写真11)による「患者が望むがん治療を目指して〜FOCAL
Unit for IGRT〜」と題した講演が行なわれた。同氏が開発したCTとリニアックとX線シミュレータを融合させ,1つのベッドで結びつけた“FOCAL
Unit”と,呼吸を止めずにCTを撮影する“スローCTスキャン法”という,新しい放射線治療のためのポジショニング法などを紹介した。
特別講演では,森山紀之氏(国立がんセンターがん予防・検診研究センターセンター長,写真12)による「がんと戦う」のテーマで,死亡率の推移や国のがん戦略,予防や検診,検査方法など,幅広い内容の講演が行われた。
● Oncology Imaging: Multi-Slice
CT/Fusion |
|
|
|
|
|
|
|
友田 要 氏
(写真3) |
|
大野良治 氏
(写真4) |
|
前谷洋爾 氏
(写真5) |
|
松木 充 氏
(写真6) |
●
Oncology Imaging:MR/PET-CT |
|
|
|
|
|
|
|
|
西村恒彦 氏
(写真7) |
|
原留弘樹 氏
(写真8) |
|
井上登美夫 氏
(写真9) |
|
●
Radiation Therapy:IGRT |
|
|
●
特別講演 |
|
|
|
|
|
|
|
上紺屋憲彦 氏
(写真10) |
|
植松 稔 氏
(写真11) |
|
|
|
森山紀之 氏
(写真12) |
|