GE横河メディカルシステム株式会社は,7月14日(木)に岡山のホテルグランヴィア岡山で,7月15日(金)に名古屋の名古屋観光ホテルで,「GE
PET-CT Seminar」を開催した。PET-CT検査の最新情報をテーマに講演が行われるとあって,どちらの会場も定員を大幅に上回る約120名が参加した。
岡山会場では岡山大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医学教授の金澤 右氏(写真2)が,名古屋会場では名古屋大学大学院医学系研究科量子医学専門教授の石垣武男氏(写真1)が,それぞれ座長を務めた。また,岡山旭東病院PET
RIセンター診療放射線技師の杉野修一氏(写真3)が岡山会場で,岡山旭東病院PET
RIセンターセンター長の奥村能啓氏(写真4)と香川県厚生連滝宮総合病院放射線科部長の松野慎介氏(写真5)が岡山・名古屋の両会場で講師を務めた。
杉野氏は「技師から見たPET事業」をテーマに講演し,岡山旭東病院での PETセンター運営の様子や,運営にかかわるスタッフの役割,機器の精度管理などについて,自身の経験を交えて話した。特に,現場で臨機応変に対応するには,スタッフ同士のコミュニケーションが大切であると強調した。
「腫瘍診断におけるPET-CTの有用性」をテーマに講演した奥村氏は,PETの基礎や有用性,注意点などを,豊富な症例を交えて紹介した。なかでも腹膜播種,治療前評価,治療効果判定に有用であると強調し,今後,腫瘍診断の確信度を高めるために,PET-CTの重要性がさらに高まるだろうと結んだ。
「PET-CTによるFDGの使用経験」をテーマに講演した松野氏は,滝宮病院のFDGデリバリーの現状について説明した。同院がデリバリーを選択するに当たって算出した収支予想データを示し,FDGデリバリーによって,少ない初期投資でも短期間にPETセンターの立ち上げが可能であると指摘した。さらに,GEの「PET-CT
Discovery ST」を導入した理由について,具体的な臨床イメージを示しながら,感度が高いためデリバリーの低投与量での運用に有利であり,期待どおりのイメージが得られると報告した。
セミナー後に行われた意見交換会では,参加者から多くの質問が寄せられ,PET-CTへの期待の大きさがうかがえた。なかでも松野氏に質問が集中し,FDGデリバリーに対する関心の高さが感じられるセミナーであった。
なお,7月25日に日本メジフィジックス株式会社のPET検査用放射性医薬品「FDGスキャン(R)注」が,日本で初めて薬事承認された。これにより,デリバリーによるPET検査のニーズは今後高まっていくものと予想される。
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石垣武男 氏
(写真1) |
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金澤 右 氏
(写真2) |
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杉野修一 氏
(写真3) |
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奥村能啓 氏
(写真4) |
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松野慎介 氏
(写真5) |
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