取材報告

2005
JIRA,「経済産業省 医療・福祉機器産業室との勉強会」開催
〜医療機器の「経済社会ガイドライン」策定に向けて

勉強会会場風景
勉強会会場風景

 




 

 (社)日本画像医療システム工業会(JIRA)は〔医療機器の「経済社会ガイドライン」策定に向けて〕をテーマに7月21日(木),経済産業省 医療・福祉機器産業室との勉強会を東京・本郷の機山館にて開催した。

 JIRA法規・経済部会,同経済委員会では,医療機器の価値評価の新たな取り組み指針として,経済産業省の「経済社会ガイドライン」に沿った骨子策定の検討を始めている。経済産業省では,「平成15年度医療機器開発促進のための評価手法動向調査報告書(平成16年3月)を取りまとめ,厚生労働省との連携で合同委員会を設置し,6つのWGを立ち上げて,「経済社会ガイドライン」策定に向けて具体的検討を行う準備段階に入っている。

 当日は,JIRA経済委員会副委員長・羽田由利子氏の司会で,同委員会委員長・野口雄司氏が開会の挨拶を行った。講師には,同報告書を取りまとめた経済産業省商務情報政策局サービス産業課医療・福祉機器産業室課長補佐・近藤裕之氏,ならびに事務局として実際の調査にあたったアイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス(株)/前・三菱総合研究所主任研究員・田倉智之氏が招かれた。経済産業省の近藤氏は,来年度からの実施を目指す医療機器開発ガイドライン策定事業について,薬事法のための「技術ガイドライン」と保険収載のための「経済社会ガイドライン」により,研究開発時にクリアすべき点を明らかにすべく,合同委員会WGで策定に取り組んでいるとした。田倉氏は,難しい経済性評価(費用効果分析)の客観的・数値的評価計算法として,イギリスなどで採用されている“QALY(キュエリー)”という単位を紹介。医療機器の付加的価値をQALYなどで客観的に評価する必要を説いた。

 JIRA経済委員会副委員長・西田大介氏より,機器評価WGにおける討議状況説明が行われた後,出席者との意見交換が行われ,ハードだけでなくソフトの評価が必要,古い機器もガイドラインに反映させてほしい,などの意見が出された。ソフト単独での評価対応は今後の課題と言えそうだ。

 勉強会にはJIRAをはじめ,JAHIS,日本医学放射線学会,日本放射線技師会などから約90名が参加した。このような意見交換は非常に重要であり,今後も同様の機会が設けられることが期待される。