取材報告

2005
株式会社ナナオが
「第1回EIZOメディカルセミナー2005」を開催

メディカルセミナー会場風景
メディカルセミナー会場風景

会場に展示されたナナオの新製品
会場に展示されたナナオの新製品
RadiForce G33
(9月中旬発売予定)
独自開発の12ビット同時表示や,モニタフロント部に格納式キャリブレーションセンサーなど数々の新機能を搭載した3Mピクセル対応のモノクロ液晶モニタに,参加者の注目が集まった。


 医用画像表示モニタなどの開発・製造・販売を行っている株式会社ナナオが7月2日(土),ホテルパシフィック東京で「第1回EIZOメディカルセミナー2005」を開催した。フィルムレス環境の普及とともに数多くの医用画像表示モニタが導入されているが,機器の特性や性能がきちんと理解されていないケースも多い。そこで同セミナーでは,診療放射線技師,読影医などを対象に,医用画像表示モニタの特性や品質維持・管理について,また,フィルムレス運用の最前線情報や実例などについて,6人の専門家らが講演を行った。

 第1部では,はじめに,株式会社ナナオ取締役の前田一哉氏(写真1)が,「LCDモニターの変遷と現状の技術」と題して,LCDの歴史や今後の開発の方向性などについて講演。さらに,9月に新製品として「RadiForce G33」(3Mモノクロモニタ),「RadiForce R31」(3Mカラーモニタ)を発売すると発表した。また,同社映像商品開発部の橋本憲幸氏(写真2)は,「医用画像表示モニタの品質規格・ガイドライン」と題して,JIRAが策定中の品質管理に関するガイドラインの背景や適用範囲,モニタ設置前に考慮すべきポイントなどを示した。「診断用LCDモニターの表示特性と品質管理の実践」をテーマに講演した岡山大学医学部・歯学部附属病院医療技術部放射線部門の三村誠一氏(写真3)は,フォトメータやAAPM TG18による品質管理が有用であり,モニタの清掃など日常的な管理が重要であると語った。

 第2部では,「日本のフィルムレス運用の実際」と題して,技師と医師,それぞれの立場からの講演が行われた。埼玉医科大学総合医療センター中央放射線部の松田恵雄氏(写真4)は,技師の立場から見たフィルムレス運用のポイントとして,情報の質を落とさないこと,院内での情報連携をスムーズにするためのシステムづくりなどが重要であるとまとめた。また,岩手県立中央病院副院長・中央放射線部部長の佐々木康夫氏(写真5)は医師の立場から,モニタ診断は有用であるが,診断法が確立されていないため,ミスを防ぐための工夫が必要であるとの考えを述べた。最後に,アリゾナ大学客員教授の岡崎宣夫氏(写真6)が,「米国のアプローチ PACSマネージャーを育てるSCARミーティング」と題して米国のPACS導入の現状などについて報告。スムーズな導入にはPACS管理者をきちんと決め,導入の目的をはっきりさせることが重要であると述べた。

 この日は,第1回目の開催にもかかわらず,定員いっぱいの約80人が会場を埋めた。実際に展示されたRadiForce G33やR31の周囲にも多くの人が集まり,フィルムレス運用への関心の高さがうかがえた。

第 1 部
前田一哉 氏
  橋本憲幸 氏   三村誠一 氏
前田一哉 氏
(写真1)
  橋本憲幸 氏
(写真2)
  三村誠一 氏
(写真3)
第 2 部
松田恵雄 氏   佐々木康夫 氏   岡崎宣夫 氏
松田恵雄 氏
(写真4)
  佐々木康夫 氏
(写真5)
  岡崎宣夫 氏
(写真6)


●問い合わせ先
株式会社ナナオ 営業1部メディカル課
TEL 03-5715-2014(代) FAX 03-3458-7001
http://radiforce.com/jp/