5人1組にワークステーション1台が配置され,
1人1人に丁寧な指導が行われた。
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高原太郎 氏
(東海大学)
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西村正樹 氏
(武田病院グループ) |
田中良一 氏
(国立循環器病センター)
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(千葉美洋 氏
石巻赤十字病院)
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三次元画像処理ワークステーション「M900」シリーズの販売を手掛けるアミン(株)は,1月から2月にかけて,第2回「3DWSスキルアップセミナー」を,開発元であるザイオソフト(株)の協力のもと,全国4会場(福岡,仙台,大阪,名古屋)において開催した。各会場とも定員を50名とし,前半はエキスパートによる三次元処理の作成方法を含んだ応用の解説が行われ,後半は実機を使用した実践的な画像処理テクニックのトレーニングを実施。2月19日(土)に東京コンファレンスセンター・品川で開かれたセミナーでは,4氏のエキスパートを迎え,特に循環器を中心としたテクニック解説とトレーニングが行われた。
セミナーでは初めに,高原太郎氏(東海大学)が「MR画像の処理」として,MRI画像でのワークステーションの活用方法を紹介。「データが粗い」,「信号強度が相対的」といったMRIの画像処理上の特徴を挙げた上で,3D-TOF
MRA,非造影MRA(上腹部および下肢静脈),躯幹部拡散強調画像を例示し,周辺構造の理解などのポイントと,それぞれの処理上の留意点を解説した。
続いて,「心臓領域における画像処理の実際」では,西村正樹氏(武田病院グループ)が,Coronary-CTの臨床的有用性や画像劣化の原因と対策,同院の心臓CTプロトコール(撮影ポイント)を紹介。実機を使って,同院でのVRの作成や冠状動脈解析といった画像処理法を述べた。
引き続き,田中良一氏(国立循環器病センター)が「大血管・抹消血管の3D-CTA」について解説。はじめに,解剖の理解,適度な造影など,良い3D-CTAのポイントを示した後,「造影は薄すぎても濃すぎてもダメ」という理想的な撮影条件を紹介し,作成のテクニックを示した。
セミナーのメインとなる実技・トレーニングでは,「M900」シリーズで豊富な実践経験を持つ千葉美洋氏(石巻赤十字病院)を講師に,前半は「頭部血管の3D作成」,後半は「頭蓋底を含む頭部血管3Dの作成」のテクニックが解説された。
最後は本セミナーの主催者であるアミンから,CTAを強力にサポートするスーパーサブトラクション機能や,実用化に向けた取り組みが行われている大腸解析ソフトなどの新しいアプリケーション,ネットワーク技術による三次元処理のワークフローを強化する高速画像転送といった技術が紹介された。
会場では参加者が5人1組になり,各組1台が配置されたワークステーションを使用してトレーニングが行われた。1人がある画像を作成し終えたら,交代で次の人が同じ画像を作成するという形で,処理に不慣れな参加者がいればその都度全体の進行を止め,時間をかけて丁寧に指導が行われた。こうした一面からも見受けられるように,本セミナーは,高いスキルを確実に身につけることができる貴重な機会として,参加者にとっては非常に有意義な場であると言えよう。
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