取材報告

2005
PET/CTや64列マルチスライスCTを取り上げた
フィリップス先端技術講演会が開催
超音波診断装置の新製品発表も行われる

特別講演の会場
特別講演の会場


上條誠二 氏
上條誠二 氏
(フィリップスメディカル
システムズ(株)代表取締役社長)

Bruce R. Line, M.D.
Bruce R. Line, M.D.
(University of Maryland Medical System)



 フィリップスメディカルシステムズ(株)は2月12日(土),ホテルイースト21東京で,恒例の「フィリップス先端技術講演会」を開催した。今年で6回目となる講演会は,学術講演会と特別講演で構成。学術講演会は,3会場に分けられ,核医学とCT,超音波診断装置,BISモニタ(麻酔深度モニタ)などのIT化が,それぞれテーマとして取り上げられた。

 また,講演会に先立ち,超音波診断装置2製品の記者発表会も行われた。新製品は,循環器領域向けのプレミアム装置「iE33」と,腹部・産婦人科領域向けのコンパクトな「HD11」。特に「iE33」は,世界初の「PureWaveテクノロジー」を採用。2年前の先端技術講演会で発表され,会場でのデモンストレーションでも注目を集めた「SONOS 7500」に搭載された“Live 3D Echo”機能をさらに進化させたもの。今回の学術講演会でもトピックスとして大きく取り上げられ,懇親会では,「HD11」とともに中央会場に展示され,デモンストレーションが行われた。記者発表会の壇上で,上條誠二代表取締役社長が「超音波診断装置の新製品を毎年リリースできるのは,フィリップスだけ」と述べたとおり,同社の強い自信がうかがえる。

 学術発表会のうち,核医学とCTがテーマとなったA会場では,RSNA2004でも話題になった64列マルチスライスCT「Brilliance CT 64」を中心とした技術解説の後に,Tamar Gasper, M.D.(Carmel Medical Center)が「Cardiac CT Angiography」を テーマに講演した。また,フィリップスの最新PET/CT「Gemini GXL」(薬事未承認)の技術報告も行われた。これは,PETとCTのガントリの間に空間を持たせたオープン型という特長を持っている。この技術解説に続き,佐藤俊彦氏(宇都宮セントラルクリニック院長)が,「PETセンター成功の秘訣」と題し,経営面からの事例を示した。

 B会場では,Mani A. Vannan, M.D.(Cardiology University of California)が「New Live 3D Quantification」をテーマに,リアルタイム3Dボリュームイメージングを実現したフィリップスの「Live 3D Echo」技術を紹介し,特に心臓構造・心機能の定量評価に非常に有効である点を強調した。

 C会場では,Albert Dahan, M.D., Ph.D.(Unit Leiden University Medical Center)が,BISモニタの使用経験について講演。麻酔薬の節約や術後死亡率の低減などに効果があることを示した。さらに,紀ノ定保臣氏(岐阜大学大学院医学系研究科医療管理学講座医療情報学分野教授)が,完全ペーパーレスのインテリジェント・ホスピタルとして機能する同院の中央診療部門における,CDR(診療情報データベース)を活用した業務評価について発表した。

 この後,会場を移し,Bruce R. Line, M.D.(University of Maryland Medical System)による「Promise and Challenge of PET/CT」と題した特別講演が行われた。講演では,「Gemini GXL」の特長や臨床的有用性が示され,さらに,冠動脈領域への応用など,PET/CTの新たな可能性についても提示された。

 今回の先端技術講演会は,文字どおりフィリップスの最新テクノロジーとその臨床経験が紹介される場となった。トータルソリューションプロバイダーを自負する同社は,昨2004年売上高420億円,前年比13%の成長を達成したが,順調な業績を支えているのが,これらの最新テクノロジーであるのは間違いない。特別講演の前に挨拶した上條氏は,今年は「信頼と責任」をキーワードに,技術はもちろん,ユーザーのニーズに応えるよう,営業,サポート体制も充実させたいと出席者に約束した。



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お客様窓口
TEL 0120-556-494
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