取材報告

2005
「保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク
基盤普及促進コンソーシアム」設立
─設立総会および記念講演会を開催─

設立総会/記念講演会
設立総会/記念講演会
会場風景


大山永昭 氏
記念講演を行った
大山永昭 氏
発起人代表/会長


鈴木康雄 氏
鈴木康雄 氏
(総務省)



新村和哉 氏
新村和哉 氏
(厚生労働省)

 東京・経団連ホールにおいて2月4日(金),「保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク基盤普及促進コンソーシアム」の設立総会および記念講演会が開催された。国民の保健・医療・福祉に対する期待が高まる中,患者を中心とした医療機関の連携が進み,安全・安心な情報ネットワーク基盤が必要と なっている。そのためには個人情報の保護が課題であり,高度なセキュリティが要求される。本コンソーシアムは,既存の ネットワークサービスでは解決できない,本人の確認や利用システムの正当性の確認などの課題を解決する方策として,「セキュアネットワーク基盤」の実現を提案し,早期の実現・普及を図るために,民間企業および団体を中心に発足した。設立総会において,発起人代表である大山永昭氏(東京工業大学フロンティア創造共同研究センター教授)が会長に,副会長に石垣武男氏(名古屋大学大学院医学研究科教授)と山本修三氏((社)日本病院会会長),代表理事に秋草直之氏(富士通(株)代表取締役会長),石田 守氏(エヌ・ティ・ティ・コミュニケー  ションズ(株)代表取締役副社長),中村直司氏((株)エヌ・ティ・ティ・データ代表取締役副社長)らが就任した。

 設立記念講演会で大山氏は,自身がかかわったe-Japan戦略の電子政府・電子自治体に続き,フェイズIIとして,医療分野にインターネット回線を活用しながら高いセキュリティを確保する最新技術を取り入れたセキュアなネットワーク基盤を実現することが求められていると語った。現在では,高価な専用線や固定的なVPN回線を利用せざるを得ず,これが医療機関連携の普及を妨げていると言える。要求に即応したVPN管理技術やICチップによる機器認証管理技術(PKI)などの新しい技術を用いて,ITへの不安を取り除き,安全・安心・便利なユビキタスネットワーク社会の実現をめざすという。例えば,病院・診療所・薬局・介護施設などをネットワーク化すれば,カルテ情報の共有による医療の質の向上と効率化,服薬情報の共有化による事故防止など,大きなメリットが想定される。今後,ネットワーク基盤の整備に関する活動,共通インターフェイス仕様や共通ポリシーの標準化などの提起と普及・啓発活動などに取り組んでいくとした。

 設立記念講演会では,総務省政策統括官の鈴木康雄氏,厚生労働省医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長の新村和哉氏が来賓挨拶を行い,個人情報保護法の施行や大山氏を中心とする「医療情報ネットワーク基盤検討会(厚生労働省)」の最終報告が出された時期に本コンソーシアムが設立されるのは時宜を得ており,今後の活動に期待すると述べた。



●問い合わせ先
保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク
基盤普及促進コンソーシアム
発起人会 事務局 担当:菅野
(株)エヌ・ティ・ティ・データ医療福祉ビジネスユニット内
TEL 03-3500-3902 FAX 03-3500-3903
jimuinfo@nttdata.-cdp.co.jp