技術紹介講演:
本田 凡 氏
(コニカミノルタエムジー(株))
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特別講演会座長:
中村清吾 氏
(聖路加国際病院)
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特別講演会講師:
大内憲明 氏
(東北大学)
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コニカミノルタエムジー(株)は1月21日(金)と22日(土)の両日,品川インターシティホール(東京)において,新製品展示会と特別講演会を開催した。会場には,最新型CR装置「REGIUS
Vstage」シリーズや,施設規模に合わせて無理なく導入できる院内ネットワークシステム「NEOVISTA」シリーズ(PACS,RIS)など,いずれも注目の製品が展示された。なかでも大きな目玉は,世界初となる位相コントラスト技術(phase
contrast mammography:PCM)を応用した乳房X線撮影装置「Mermaid(マーメイド)」,CR装置「REGIUS
Vstage MODEL 190」,画像処理コンソール「CS-3」,ドライイメージャ「DRYPRO
MODEL 793」で構成するデジタルマンモグラフィ撮影システムの「コニカミノルタPCMシステム」(2月上旬発売)。特に,「Mermaid」はこれまでになかった技術の応用とあって,2日間で約1500名の参加者を集めている。
2日目の22日は,同社開発センターの本田 凡氏が“PCM技術と商品紹介”と題して,位相コントラスト技術の解説を 行った。撮影装置の「Mermaid」は被写体と検出器が離れているという特徴を持ち,通常,これによって起こる「ボケ」を位相コントラスト技術により解消し,よりシャープな輪郭を得ることに成功。また,半切サイズカセッテを使用して1.75倍の拡大撮影を行うという特殊な撮影のため,展示会場では,取り扱い説明を聞く参加者が「Mermaid」に殺到し,PCMシステムに対する注目度と期待度の高さがうかがえた。
特別講演会では,中村清吾氏(聖路加国際病院外科医長)を座長に,「がん検診に関する検討会」委員の大内憲明氏(東北大学大学院医学系研究科腫瘍外科学分野教授)が,“マンモグラフィ検診:デジタル化への展望”と題して,2004年4月に見直された“マンモグラフィ検診原則”などの乳がん検診における現状を解説。確かな精度管理とともに,検診システムのデジタル化も普及への大きな鍵になると述べて,デジタルマンモグラフィ検診の有用性を,克服すべき課題も含めた内容で展望として述べた。東北大学病院では,3年前よりデジタルマンモグラフィ検診に向けた検証を始めており,年内にはその結果が出てくるため,期待が寄せられている。
今後,フィルム-スクリーン系に匹敵する高精細なマンモグラムの提供をめざすコニカミノルタエムジー社の技術努力の成果が,多くの施設から上がってくる日も間近である。 |