INNERVISION

岐阜大学の「新総合医療情報システム」,
平成16年度「情報化月間」にて表彰

 2004年6月から新病院として開院した岐阜大学医学部附属病院の電子カルテ「新総合医療情報システム」がこのほど,政府が実施している「情報化月間」において,平成16年度情報化促進貢献情報処理システムの表彰を受けた。各界関係者列席のもと,10月1日(金)に記念式典が東京全日空ホテルにおいて開催され,岐阜大学医学部附属病院を代表して紀ノ定保臣氏(医療情報部部長)が出席した。
 政府では,毎年10月に開催される情報化月間記念式典において,情報化の促進に多大な貢献をなしたと認められる個人や企業,および情報化を進めるために著しい効果を上げている情報処理システムを選定。経済産業省,総務省,国土交通省の3大臣による「情報化促進貢献個人」,「情報化促進貢献企業等」,情報化月間推進会議議長による「情報化促進貢献情報処理システム」および経済産業大臣による「U-20プログラミング・コンテスト入賞作品」の表彰を行っている。国民の情報化に対する認識を高めるとともに,国民生活の向上および国民経済の健全な発展に寄与するのがねらいだ。
 「インテリジェントホスピタル」をテーマに開院した岐阜大学医学部附属病院は,院内すべてに光ファイバー網を張り巡らし,標準的な技術使用(DICOM,HL7,MFER,PKI,XML,標準病名)を積極的に活用して「新総合医療情報システム」と呼ばれる患者情報を一元的管理する電子カルテシステムを構築。完全フルデジタルのペーパーレス,フィルムレス環境を実現した。無線LANも導入しており,いつでも,どこからでも情報にアクセスできるユビキタス環境にもなっている(本誌2004年7月号参照)。岐阜大学の受賞は,今後の医療情報システムの展開に非常に参考となるシステムとして大きく貢献している点が評価されたという。

●問い合わせ先
  情報化月間運営事務局
 TEL 03-3781-8397
 http://www.jipdec.jp/gekkan2004


岐阜大学を代表して,児玉幸治情報化月間
推進会議議長より表彰される紀ノ定保臣氏


●「情報化月間」とは?●

 わが国の情報化は,情報・通信技術などの進歩を背景に,産業・社会・生活のあらゆる分野にわたって,広く深く進展している。経済産業省では,このような情報化社会の到来を予想して,情報化社会の健全な発展を進めていくため,市民の間に情報化に対する正しい認識と理解を醸成していくことが必要であると考え,関係各省庁(内閣府,総務省,財務省,文部科学省,国土交通省)などの協力を得て,昭和47年以来,毎年10月第1週を「情報化週間」と定め,国民を対象とした啓発・普及のための各種行事を実施してきた。さらに,昭和57年度からは,社会の情報化が産業分野から社会・生活分野へ,大都市から地方都市へと質的・面的なひろがりをみせ始めたのに伴い,「週間」を「月間」と改め,各行事の量的増大,質的向上ならびに参加者の増加などを図り,今日に至っている。
 推進体制としては,情報化月間の基本事項などについて広く検討するための機関として「情報化月間推進会議」,その下部組織として「情報化月間推進会議幹事会」,関系6府省で「情報化月間各府省連絡会議」が設置されている。さらに,情報化月間における行事の普及振興のための広報のあり方,行事内容などの審議を行う機関として「総合企画委員会」を設置。また,全体の行事の取りまとめおよび広報は,(財)日本情報処理開発協会が行っている。
 2004年度のテーマは「ITで創る21世紀――安全・快適。くらしの中のIT」。期間中は全国各地で,展示会や講演会,セミナーなど多彩な行事が開催された。