無停止型サーバシステムを手掛ける日本ストラタステクノロジー(株)は10月1日(金),六本木アカデミーヒルズ40(東京)において「ftServer新製品発表セミナー」を開催した。本セミナーでは,新たなマーケットである医療分野に進出したこともあり,ftServer導入事例として,日本アグフアゲバルト(株)による徳島大学のフィルムレスシステムについての講演も設けられた。
はじめに,「ストラタスの無停止テクノロジーとftServer適用業界」として,蓑田 透氏(日本ストラタステクノロジー(株)マーケティング部)が,無停止テクノロジーや製品ラインナップ,適用分野などについて解説した。急速な電子化が進む昨今,無停止運転や短期のシステム構築などに対応した,より信頼性の高いサーバシステムが求められている。これまでのクラスタシステムでは,アプリケーションをクラスタ対応に設定する必要があること,スキルを持った専門の技術者が必要なこと,障害発生時の切り替えに時間がかかることなど,さまざまな問題を抱えている。これらクラスタの問題点を解決するのが「ftServer」であり,@完全二重化システム(24時間365日無停止運転),A容易な構築や運用を実現するシングルシステム,Bシステムダウン時の負担を軽減するソフトウエアの可用性強化,C遠隔診断による高度なリモート保守,という特長を持つ信頼性の高いフォールト・トレラントシステムである。ストラタスでは今後,この「ftServer」をIT化が急速に進む医療分野へ提案し,新しいマーケットをひろげていく計画だという。
「ftServer」導入事例紹介では,医療業界から大越 厚氏(日本アグフアゲバルト(株)ヘルスケア事業部エンタープライズITソリューションマネージャ)が,徳島大学のマルチベンダーによるフィルムレスシステム(本誌2004年10月号および別冊付録「ITvision」No.6に掲載)の紹介を通して,医療ITソリューションについて講演を行った。モダリティの高性能化や効率化が求められる独立法人化時代を背景に,徳島大学ではフィルムレス環境を構築するため,世界トップクラスの導入実績を誇るアグフアのWeb画像配信システム「IMPAX
Web1000」を採用した。さらに,より最適かつ信頼性の高いシステムを実現するために,配信システムの中核となるサーバには,ストラタスの「ftServer3300」を導入。マルチベンダーによるシステム構築がなされ,徳島大学はフィルムレス病院へと生まれ変わった。2004年4月から稼働し,現在に至るまで一度も停止することなく稼働し続けているという。アグフアは2003年に,医療業界初となるストラタスとのリセラー契約を結んでいるが,今後も拡販に向けての協業を推し進めていく考えだという。
当日は,ストラタスのパートナー企業をはじめ,約200名という多数の参加者で会場が埋められた。また,9月に発表されたばかりの注目の新製品「ftServer
100Jシリーズ」などの実機展示も設けられ,熱心に質問をする参加者の姿が見られた。
●問い合わせ先
・日本ストラタステクノロジー(株)
マーケティング部
TEL 03-3234-5562
http://www.stratus.co.jp
・日本アグフアゲバルト(株)
ヘルスケア事業部
TEL 03-5704-3091
http://www.agfa.co.jp