セミナー会場風景
挨拶をする三浦主圭 氏
(テラリコン・
インコーポレイテッド
Aquarius製品事業部長)
坂井修二 氏
(九州大学医学部保健学科
放射線技術科専攻・
医学放射線科学専攻助教授)
内田政史 氏
(久留米大学医学部
放射線医学教室)
平野雅春 氏
(東京医科大学
内科学第二講座)
ランチョンセッションで
「Aquarius NET Station」
を紹介する清水 聡 氏
(テラリコン・
インコーポレイテッド
Aquarius製品事業部)
挨拶をする北川健三 氏
(エルクコーポレーション
医療システム営業本部長)
Aquariusスキルアップセッションは4つのコーナーに別れ,活発な意見交換が行われていた。
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マルチスライスCTの多列化の進行などによる大量ボリュームデータの管理および利用は,医療施設での大きな課題である。早くからこの大量ボリュームデータ時代の到来を予測し,3D画像とネットワークに焦点を当て,Aquarius
WorkstationとAquarius NETの開発・販売を進めてきたテラリコン・インコーポレーテッドは,World Wide(欧米および日本)での両製品の導入実績が520施設,560台(国内180台)に達した。そして,同社は本年9月,Aquarius
Workstationの持つWorkstation としての高い機能とAquarius NETの画像配信機能を融合させた「Aquarius
NET Station」を発表し,発売を開始した。この「Aquarius NET Station」の発表を兼ね,ユーザーのスキルアップを目的としたプライベートセミナー“Aquarius
in KYUSHU 2004”が,特に最近ユーザーの数が増えたという九州(アクロス福岡:福岡市中央区)において,10月9日開催された。本セミナーは,3人の演者によるAquarius製品の運用・最新事例と,MRIの最新技術紹介の基調講演,「Aquarius
NET Station」の紹介, Aquariusスキルアップセッションの3部構成で行われた。
基調講演では,まず坂井修二氏(九州大学医学部保健学科放射線技術学専攻・医学放射線科学講座助教授)が,「九州大学病院におけるネットワーク・ワークステーションシステムの運用事例について」のテーマで講演した。同氏は,九州大学病院のネットワークについて放射線部を中心に紹介し,画像処理を行う状況を分析して,@ルーチン化した画像処理,A高度な解析や画像処理,B読影時のリアルタイムな画像処理,C外科手術でのシミュレーション用の画像処理の4つに分けて,それぞれを解説した。さらに,フィルムレス環境化での運用方法や,これからのネットワーク・ワークステーションに望まれることなどに触れ,病院の画像ネットワークはHIS,RIS,PACS,Reportingシステムとの連携と,病院の実状にあったシステムの構築,画像処理を誰が何を用いて何のために行うのかの明確な運用が重要であるとした。
「久留米大学病院における3D画像ネットワークソリュー ション紹介」のテーマで講演した内田政史氏(久留米大学医学部放射線医学教室)は,臨床における三次元画像と,三次元画像を含む医療用ネットワークシステムの必要性を説いた。そして,読影用PCと並列して三次元画像処理にワークステーションが必要であるが,どの施設においても複数のワークステーションを保有することは困難なことが多い。実際の診断では,大部分の症例で,ある程度の簡易な三次元画像で十分に診断が可能であることから,PC上で臨床医が自分で見たい簡易な三次元画像を作ることができるような画像配信ネットワークシステムが必要である。特に必要な症例のみを,専門の医師あるいは診療放射線技師が高機能なワークステーションを用いて,高精細・高機能三次元画像を作成するようにすればよいとした。さらに,画像配信ネットワークシステムでは,ストレスなく高速に解析処理を行うHigh
Performance性と,容易な操作性が特に重要であるとした。
「Establishment of noninvasive approach for diagnosis of coronary
disease(冠動脈疾患診断のための非侵襲的アプローチの確立)」のテーマで講演した平野雅春氏(東京医科大学内科学第二講座)は,心筋虚血の画像診断法について,従来の検査(超音波・心筋シンチ・冠動脈造影)の他に,新しい検査法としてCT検査とMR検査があるとし,特にMR検査における目的に応じた各種検査法とそのメリットを紹介した。さらに,最新の検査技術を紹介し、特に心臓全体の高分解能三次元画像を1回で撮像する“Whole
Heart Coronary MRA”を,不安定プラークを早期かつ非侵襲的に検出できる方法として紹介した。ただ,画像をつくるのに時間がかかることと,冠動脈を評価する方法がないなどの問題点があり,共同開発を進めているテラリコン・インコーポレイテッドのソフト開発に期待したいとした。
ランチョンセッションとして行われた「Aquarius NET Station」の紹介では,「Aquarius NET Station」の発売に伴い,従来のAquarius
Workstationの販売を9月末で終了するとした。そして,「Aquarius NET Station」の特徴として,@従来のAquarius
Workstationと同等以上の豊富な各種3D機能および解析機能を持つ,A既存の汎用PCにフリーライセンスのビューワをインストールすることが可能で,端末(Client
PC)では2D,3D,4Dの基本機能をシンプルかつ高速に表示することが可能である,B「Aquarius NET Station」本体と端末は同時処理が可能で,同一患者データで別々の作業を,あるいは異なる患者データを別々に読み込んで,さまざまな再構成処理を同時に行うことが可能である,C「Aquarius
NET Station」本体で保存された高機能解析処理の結果画像やレポートは端末でも閲覧可能である,などを挙げた。
Aquarius製品の実機を用い,画像処理・運用能力の向上 を図るスキルアップセッションでは,頭部・頸部領域(NET Station),心臓・胸部領域(NET
Station),腹部・下肢領域(NET Station),3D画像配信サーバー(Aquarius NET)の 4つのコーナーに別れ,アプリケーションスペシャリストによる実践的なテクニックの紹介と,ユーザーとの意見交換が活発に行われた。テラリコン・インコーポレイテッドのソフト開発は,本社のある米国のスタッフが行っているとのことであるが,日本スタッフとの間で頻繁に行われる電話会議などで綿密な連絡体制がひかれており,国内の共同研究施設やユーザーの意見が的確に反映される体制が整っているという。
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