INNERVISION

GEYMS,「GE Healthcare
最新技術 Seminar」を開催


座長:栗林幸夫 氏
(慶應義塾大学)

 


平野 穣 氏
(GE Healthcare)

 


村上康二 氏
(国立がんセンター東病院)

 


Brian Duchinsky 氏
(GE Healthcare)

 


Dennis Foley 氏
(Medical College Wisconsin)

 


陣崎雅弘 氏
(慶應義塾大学)

 GE横河メディカルシステム(株)は10月8日,センチュリーハイアット東京において,「GE Healthcare最新技術Seminar」を開催した。座長に栗林幸夫氏(慶應義塾大学医学部放射線診断科)を迎え,世界初の64列Volume CT「LightSpeed VCT」やPET-CTをはじめとする,新たに発表されたGEの最先端製品や技術動向について,5氏が講演した。
 はじめに,「バイオサイエンス基礎研究からみたMolecular Medicineの将来展望」として,平野 穣氏(GE Healthcare Amersham Bioscience Technical Consultant Manager)が講演した。Personalized Healthcareを実現するMolecular Medicineの研究開発とは,疾患の分子レベルでの基礎研究を行い,深く関連する特徴的な生体分子(分子標的)の機能を解明し,個体間の差(DNA配列など)を調べ,この分子標的の性質を利用して疾患に特異的で,個体に効果的な治療につなげることを目指す。遺伝子から始まり,タンパク質,細胞/組織,動物,ヒトへという流れで研究開発が進められる。Bioscience部門では,遺伝子,タンパク質,細胞という3分野の技術をサポートしているが,GEとアマシャムの統合で,このサイクルに実験動物用CTなどのイメージング技術が新たに加わることで,今後のMolecular Medicineの研究開発は急速に加速するとした。次に,村上康二氏(国立がんセンター東病院放射線部)が,「PET-CTの臨床的有用性」について講演した。同氏は,PET-CTが登場したことで,transmission scanでの改善が認められることや,融合画像の精度が向上した点などの利点を紹介。その上で,@読影医には核医学・放射線診断双方の知識が要求されること,A被曝線量を考慮すると,検査の際には精査目的か検診かを明確にし,撮影条件を最適化する必要があること,BPET-CTとCTを別々に行う重複検査を避けるためにも,PET-CTに対する経済的な裏付けが必要であること,などの注意点を示した。続いて,Brian Duchinsky氏(GE Healthcare Global General Manager / CT Imaging Business)が「Next Generation Volume CT――LightSpeed VCT」と題して,64列Volume CT「LightSpeed VCT」の特長を解説。新たな検出器や先進的な機能の開発により,さらなる高分解能イメージングと,より広範囲検査の両立を実現させた次世代の装置がVolume CTであるとした。また,Dennis Foley氏(Medical College Wisconsin)がVTRで,「LightSpeed VCT Initial Clinical Experience」と題して講演し,スペインにいるFoley氏との電話によるQ&Aも行われた。2004年6月に「LightSpeed VCT」を導入して以来,Foley氏は,さまざまな患者・部位において経験を重ねている。その結果から,「LightSpeed VCT」に対する印象として,非常に広範な患者を対象とすることができる点や,真の64列を実現している優れた分解能,優れたコントラスト描出能,といった優位性を示した。最後に,陣崎雅弘氏(慶應義塾大学医学部放射線診断科)が,「心臓領域における臨床応用(MDCTからVolume CTまで)」をテーマに講演した。冠動脈造影はMDCTが登場することで,高精細な画像でより非侵襲的に評価できるようになった。このため,MDCT coronary angiographyにおいては,スクリーニング,精検,フォローアップに期待が寄せられる。陣崎氏はまず,このような冠動脈CTがどの程度の診断能を持っているのかを解説。その上で,VCTについても,臨床で「使える」心臓CTの実現の条件である検査成功率の向上と画像解析の効率化に高いレベルで成功しているとまとめた。
 当日は,関東地方で過去最大級とされた台風が近づき,あいにくの空模様となったが,ホットトピックスであるVolume CTやPET-CTについての講演内容ということで,220人を超える参加者が会場に足を運んだ。

●問い合わせ先
GE横河メディカルシステム(株)広報:松井
TEL 042-585-9249
http://www.gemedical.co.jp