社会のIT化・ネットワーク化が進み,一般の人々が医療情報を入手することが容易になってきた。情報公開が求められる時代となり,医療関係者や病院との距離も縮まっている。このような状況の中で,画像診断装置もすっかり身近な存在となり,患者自らが装置を選択して検査を受ける時代になりつつあると言っても過言ではないであろう。
(株)日立メディコは一般を対象にした初の試みとして,健康について考えることで画像診断を身近に感じてもらおうという「家族の健康を考えるシンポジウム」を企画・協賛。サンケイリビング新聞社の主催で9月5日(日),パレスホテル立川(東京・立川市)において開催された。会場には200名近い参加者が集い,一般の関心の高さがうかがえた。
シンポジウムは2部構成で行われ,第1部では女優の音無美紀子氏が「乳がんと歩いた二人の16年」をテーマに,自らの乳がんの発見から乳房切除による女性として,母として,女優としての苦悩と病気との戦いを語り,家族が共に悩み支えてくれたこと,自らが踏み出さないと病気には勝てないことを涙ながらに語り,感動を誘っていた。第2部では大日方研氏(大日方医院副院長)が,「35歳からの検診病院選びのあり方―病気から自分を守る―」というテーマで講演した。同氏は,生活習慣病の定義から始まり,個別的医療(個別化医療)の考え方,定期検診の重要性,病院の選び方,医者との接し方,心の健康の重要性を,ユーモアを交えわかりやすく説明した。合間には,単純X線,CT,MRIの画像を示して画像診断の有用性を述べるとともに,患者に優しいオープンMRIや,最新の技術である超音波装置による組織弾性イメージング(乳腺腫瘍の検出)の紹介を行った。