INNERVISION



業務効率化やコスト削減など,経営改善で大きな成果を上げた施設からの具体的な実施過程と成功までの流れが発表された。


GE横河メディカルシステム,
病院経営支援
プログラムに関するセミナーを開催

 

 GE横河メディカルシステム(株)(GEYMS)は2月17日,2002年より事業化した病院経営支援プログラム「Healthcare Solutions」についてエグゼクティブセミナーを開催した。医療機関に質の高い医療サービスの提供が求められる昨今,コスト削減,生産性の向上など病院経営の効率化が叫ばれている。そうしたなかでGEYMSでは,米ゼネラル・エレクトリック(GE)の品質改善手法である「シックスシグマ」や経営手法を活用した同プログラムを用いて,これまでに数十件のユーザー施設の経営改善を支援してきた。本セミナーでは,プログラムの導入により経営の効率化に成功した3つの医療機関からの講演が行われた。
 はじめに,全米の顧客満足度調査でトップ1%に入る評価を受けているThibodaux Regional Medical CenterのBrenda Arceneaux氏(同センター看護部担当ディレクター)が,「Journey to Excellence」と題して講演した。Arceneaux氏はまず,改善活動におけるキーワードを挙げ,特に患者に対するサービスリカバリー(サービスの改善)の重要性を提示。症状が重い患者の子供の卒業式を病院で開くなど,患者満足度を重視しているという。一方で,中間管理職育成に70万ドルを費やすといったスタッフ自身の改革も推進。「改善活動に大切なのは施設全体で取り組むことであり,短期間でなく文化になるまで咀嚼する必要がある」と述べた。
 日本からはシックスシグマ業務改善事例として2病院が報告した。まず,医療法人社団明芳会横浜旭中央総合病院の二宮克行氏(同院医事課主任)が,「会計待ち時間の削減」について述べた。シックスシグマ・ワークアウト実施後,極端に長かった内科における待ち時間が21分から8分までに短縮。コスト削減も実現し,病院の置かれている経営環境も把握できたという。一方,医療法人協和会協立温泉病院からは岡崎智子氏(同院栄養科長)が,「Stop the 無駄」をテーマに,物品在庫管理における改善について報告。在庫の削減を目的に,コスト削減をもたらすと言われる業者によるSPD(物品管理代行)サービスを導入し,一時は在庫金額が368万円となったが,その後,シックスシグマ・ワークアウトを実施したことにより,さらに210万円にまで削減できたと発表した。
 また,ムーディーズ ジャパン(株)の柳瀬志樹氏(同社格付部門アソシエイトアナリスト)と谷本伸介氏(同部門アシスタント ヴァイス プレジデント-アナリスト)による医療機関の格付けについての講演も行われた。日本と米国の病院における社会的・政治的制度や特性の比較を提示した上で,ムーディーズによる病院格付けの基準が詳細に解説された。
 経営の効率化というホットトッピックスに対し,会場からは多数の質疑が上がり,予定の時間を過ぎているにもかかわらず,大勢の参加者が最後まで熱心に聞き入っていた。

問い合わせ先
GE横河メディカルシステム(株) 広報担当:松井
TEL 042-585-9249
http://www.gemedical.co.jp/



Brenda Arceneaux氏
(Thibodaux Regional Center)
二宮克行 氏
(横浜旭中央総合病院)
岡崎智子 氏
(協立温泉病院)

 

柳瀬志樹 氏
(ムーディーズ ジャパン(株))
谷本伸介 氏
(ムーディーズ ジャパン(株))