INNERVISION


“第81回レントゲン祭”で
祭詞を述べる服部重彦 氏
(代表取締役社長)


式辞を述べる松山恒和 氏
(取締役 医用機器事業部長)


講演する田中修二 氏
(医用機器事業部
マーケティング部部長)


講演する天野昌治 氏
(医用機器事業部
技術部主任技師)


島津製作所,
“第81回レントゲン祭”を開催
― 直接変換方式FPDの展開と次世代PETの開発を発表

 

 (株)島津製作所は,恒例の“第81回レントゲン祭”を2月10日,同社三條工場研修センター(京都市中京区)において開催した。X線を発見したレントゲン博士の偉業を讃え,新たなるX線技術の発展に向け,決意を新たにするために催される“レントゲン祭”は,同社の130年に近い歴史(1875年創業)の中で戦時中も休むことなく催され,81回を迎えている。“技術の島津”と呼ばれる同社のX線を用いた技術の到達点が,直接変換方式のFPD(9インチサイズ)を搭載した循環器システム「DIGITEX Safire」である。式辞の中で松山恒和氏(取締役 医用機器事業部長)は,「島津製作所の経営理念である“人と地球の健康への願いを実現する”を目指すために,直接変換方式FPDは21世紀のセンサーとして必要不可欠なユニットであった。基礎研究を含め,14年の歳月を費やして開発した直接変換方式FPD搭載の循環器システム「DIGITEX Safire」は大変好評を博し,本年前半で20台を超える導入が予定されている。ひずみのない高画質な画像が,少ない線量(低被曝)でリアルタイムに得られるため,大幅な診断能の向上が図られる。さらに,画像のデジタル化により医療の地域格差が是正され,正確で,より早い診断,より早い治療を提供できる」とした。
 記念講演会では,「デジタルX線装置の将来展望―直接変換方式FPD Safireの臨床応用と製品展開」をテーマに,田中修二氏(医用機器事業部マーケティング部部長)が講演した。同氏は,FPD装置の原理や構造,直接変換方式の利点を述べた。そして,操作性の良さ,ファイリング作業の簡素化,ワークステーションなどの優れた技術を紹介し,Safireはそれらがシステマティックに有効に動くように考えられているとした。被曝低減においてはFPD 単体での低減とともに,部位により低減を図るなど,システムとしての被曝低減も図られているとした。画像処理においては,体動があっても画像がボケない高速RSM処理,さらにFPD装置としては同社のみが可能としているリアルタイムDSAを紹介した。最後に,3Dアンギオや17インチサイズのFPDでのX線テレビ装置,一般撮影装置への展開を紹介して講演を終えた。
 次に,国内唯一のPET装置製造メーカーである同社の新PET装置について,「クリニカルPET 新時代―次世代PET・Eminence(エミネンス)の開発」のテーマで,天野昌治氏(医用機器事業部技術部主任技師)が講演した。同氏は,PET装置はがんの診断のみならず,筋肉のエネルギー代謝を測ることができ,さらに脳機能,心機能を評価できるとし,経済的効果やFDGのデリバリの開始などの市場動向をも紹介した。そして,3次元E/T(Emission/Transmission)同時収集や3次元連続全身収集による短時間検査の実現,GSO高分解能検出器による高い診断能や,交換不要のCsトランスミッション線源による低ランニングコストの実現など,時代の要請に対応したPET装置「Eminence」を紹介した。最後に高級機とともに汎用機も同時に販売すること,PET/CTの開発や新クリスタルPETの開発など,今後の展望を紹介して講演を終えた。

問い合わせ先
(株)島津製作所
医用機器事業部マーケティング部販売促進課
TEL:075-823-1271 FAX:075-811-8185
http://www.shimadzu.co.jp