医療改革と経済成長
●著者:松山 幸弘(キヤノングローバル戦略研究所 主席研究員,経済学博士) |
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◆改革論争の常識は誤り! “日本版医療ニューディール計画”成功への提言
世界経済危機の中,各国ではさまざまな政策が実施されています。そのなかでも医療は経済全体で1位2位を占める産業セクターであり,不況下でも新規雇用を生み出している重要な事業となっています。さらに,先進諸国では財政再建と医療費増加を両立させることが経済成長に不可欠な要素ともなっています。
本書では,米国,英国,カナダ,オーストラリアの医療改革の動向を考察しながら,「日本の医療提供体制は先進諸国の中で最も営利性が強い」「“医療産業集積=医療施設・企業の集中立地”ではない」など,医療改革をめぐる日本の常識を覆していきます。そして,日本の医療を変えられない原因を追及し,日本の医療改革のあるべき姿を探り,経済成長につながる世界基準の地域医療ネットワークの構築を提言します。
【内容】
第1章 迫りくる危機と医療改革の大局観
第1節 日本国民に迫りくる危機
第2節 わが国の医療改革を巡る通説の誤り
第2章 公的制度を核に地域医療経営ガバナンス改革を推進する国々
第1節 公立病院間の競争を促す英国
第2節 州政府が医療改革を主導するカナダ
第3節 経済好調をバックに次なる医療改革に進むオーストラリア
第3章 経済成長のエンジンであり続ける米国の医療産業
第1節 オバマ大統領の医療改革
第2節 進化を続けるIHNセンタラヘルスケア
第3節 民間非営利病院IHNに追随する公立病院IHN
第4節 IHNと大学が業務提携し推進する医療産業集積
第4章 日本版 医療ニューディール計画
第1節 公的医療保険にオプション導入
第2節 日本版IHN創造の手順
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