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日本メドトロニック
小さい弁輪に対応した23mmサイズの人工弁を用いた
「経皮的カテーテル大動脈弁置換システム」の治験を開始
~さらに人工弁の植込みに大動脈から直接,大動脈弁まで
アクセスする方法を治験に追加~

(2012/9/24)

●問い合わせ先
日本メドトロニック(株)
ストラクチャラルハート&エンドバスキュラー事業部
TEL 03-6430-2015
http://www.medtronic.co.jp/

 

日本メドトロニック(株)は,経皮的カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI:Trascathter Aortic Valve Implantation)により植込まれる23mmサイズの人工弁を使用した「経皮的カテーテル大動脈弁置換システム」(治験機器識別番号MDT-2111)の治験を2012年7月に開始した。この23mmサイズの人工弁は,自己拡張機能をもつ,ブタ組織由来生体弁を用いた弁であり,経皮的カテーテルにより植込まれる仕組みとなっている。

23mmサイズの人工弁を用いた本治験の開始により,26及び29mmサイズの人工弁を用いた治験では適応にならなかった小さい弁輪への植え込みが可能になる。また,本治験では,人工弁を経皮的カテーテルを用いて大腿・腸骨動脈,あるいは鎖骨下動脈より大動脈を経由して大動脈弁まで送達させる従来のアクセス方法のほかに,胸部を部分切開して胸部中央にある大動脈を露出させ,カテーテルにより直接大動脈へアクセスし,大動脈弁まで人工弁を送達する「直接大動脈アクセス法」が追加された。「直接大動脈アクセス法」は大腿・腸骨動脈,あるいは鎖骨下動脈からのアクセスが困難な患者さんを対象としている。この「直接大動脈アクセス法」については,ヨーロッパですでに2011年11月にCEマークを取得している。

本治験は 2011年10月に開始した26及び29mmサイズの人工弁を使用した経皮的カテーテル大動脈弁置換システムの治験と同様,大阪大学医学部附属病院,国立循環器病センター,医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院,埼玉医科大学国際医療センターの4施設で実施されている。小弁輪径の治験(23mm)と同様に26及び29mmサイズの人工弁を用いた治験においても直接大動脈アクセス法が2012年7月より新たなアプローチの選択肢として追加された。

23mmサイズおよび26/29mmサイズの人工弁を用いたそれぞれの治験において治験調整医師を務める大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科 澤 芳樹 教授は,「日本人の重度大動脈弁狭窄症の患者さんは,欧米人に比べて弁輪の小さい患者さんも多いことが報告されています。今回の治験開始によって,日本の患者さんのニーズによりこたえることが出来るようになるのではないかと期待されます。また,患者さんの状態にあわせて弁を送達するアプローチ方法を選ぶ際の選択肢が増えることによって,より多くの重度大動脈弁狭窄症の患者さんに貢献できるのではないかと考えています」とコメントしている。

【経皮的カテーテル大動脈弁植え込み術とは】
この治療法では自己拡張機能をもつブタ組織由来生体弁を使用する。人工弁は,カテーテルを介して,大動脈弁まで運ばれる。弁フレームに固定された人工弁は,自己拡張技術により,機能しなくなった患者さんの弁の上に留置される。切開部分が小さくて済むため,開心術よりも身体への負担が少ない治療法。

【大動脈弁狭窄症とは】
大動脈弁狭窄症は,加齢などの影響により大動脈弁が狭窄を起こし,正常に開かなくなる病気。そのことによって,心臓から全身に血液を十分に送り出すことができなくなり,心臓に負担がかかり,息切れや胸の痛みなどの症状がみられ,重症化すると心不全などを引き起こす。
また,大動脈弁狭窄は徐々に進行するため,長い期間にわたり自覚症状がない場合もある。
治療が行われなければ,重度の大動脈弁狭窄症で,かつ,外科的大動脈弁置換術が困難な患者さんの50%が1年以内に亡くなるといわれている重大な病気。国内における現在の治療法は,大動脈弁を開心術で人工心臓弁と取り替える方法が用いられる。

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