コニカミノルタオプティクス(株)(以下コニカミノルタ)は,新生児黄疸スクリーニングのスタンダード機器であるJMシリーズの最新モデル,黄疸計「JM-105」を10月1日より発売する。
コニカミノルタの黄疸計は,新生児黄疸*1を採血することなく,胸や額に光をあてることによって測定する装置で,産科および小児科などで使用されている。
コニカミノルタは,未熟児医療のパイオニア的存在であった故山内逸郎氏(当時国立岡山病院小児科医長)の指導により1980年に世界初の経皮ビリルビン*2濃度測定式の黄疸計1号機を発売した。以来,採血が不要であることから国内外で注目を浴び,多数の臨床報告によってコニカミノルタの黄疸計を使った判定手法が確立し,現在,国内ほぼ全ての産科・産院に普及するまでとなった。
今回発売する黄疸計 「JM-105」は1号機から数えて4代目に当たり,2001年発売の従来機「JM-103」からは約10年ぶりのリニューアルとなる。
本器は,皮膚に光をあてることにより,皮下組織の深い部分と浅い部分の黄色味の度合いを瞬時に測り,血清ビリルビン相当値*3(mg/dL)を表示する。皮膚の色を問わず,幅広い人種で使用可能。また,小型・軽量のハンディータイプで,電池を入れてもわずか203g。今回のリニューアルでは,測定値を同時に3つまで確認できるタッチパネル式大型ディスプレイを搭載,さらに測定性能の向上も図り,測定結果をより確実で安心なものとした。
コニカミノルタの黄疸計は,国内はもとより,欧米でも利用が進み,さらには東南アジア諸国などでも使われ始めている。赤ちゃんにやさしい医療というJMシリーズのコンセプトを進化させる最新機種「JM-105」の投入により,世界各国の新生児医療における経皮黄疸測定の普及促進に貢献できるものと考えている。
本製品については,旭化成メディカル(株)を通じて販売する。
※1 新生児が生後数日の間に肌の色が黄色くなる現象。ほとんどの新生児に見られ,通常は生後1〜2週間で消える。
※2 血液中の赤血球(ヘモグロビン)が分解するときにできる黄色い色素。通常は肝臓で代謝される。
※3 皮下組織の色を測定した数値を用いて血液中のビリルビン濃度に換算した値。
●主な特長
1. 3つの測定値を同時表示
黄疸計の測定では,一般的に複数回測った値の平均値や中央値などを,その時の血清ビリルビン相当値とする。
本機は測定値を3つまで同時に表示できるので,例えば,胸と額を測定してそれぞれの部位の測定値を同時に表示する(2データ表示),同じ部位で3回測ったデータを全て表示させ(3データ表示)中央値を選ぶ,などの様々な使い方が可能。
また,メモリ測定では,測定結果を100件までJM-105本体に保存できる。
2.ワイドな表示
ドットマトリクス型の大きな液晶ディスプレイは,従来機の約4.2倍の面積で,大変見やすくなった。
操作もタッチパネル方式で,より使いやすくなった。
3.急速充電
フル充電までの時間は約2時間で,従来機の16倍の速さの急速充電タイプ。フル充電後は約250回の連続測定が可能。
充電機能を備えたドッキングステーションには,機器の日常点検のためのリーディグチェッカーが内蔵,通信機能も備えており,電子カルテへのデータ出力が可能。 |