東芝メディカルシステムズ(株)は,2007年11月に世界初の320列エリアディテクターCT(ADCT)Aquilion ONE™を発売して以来,世界各地の医療施設に販売し,2012年7月17日をもって生産累計500台を達成した。
左からCT開発部 杉原直樹氏,代表取締役社長 綱川 智氏,CT事業部部長 信太泰雄氏
Aquilion ONEは体軸方向に160mmの幅を1回転で撮影し,高速・低線量撮影を実現する。さらに東芝独自の低線量撮影技術AIDR 3Dの適用により,320列ADCTのみが可能にする低線量ダイナミックボリュームイメージングの臨床的有用性に高い評価を得ている。
500台目のAquilion ONEを導入する施設はオーストラリアのPRP Diagnostic Imagingで,COOであるMr. Jonathan Pageは「先進的な被ばく低減技術であるAIDR 3Dや高速スキャンスピードを兼ね備えたAquilion ONEは,画質や診断精度を犠牲にすることなく,低被ばく検査を可能にし,検査時間も短くすることができます。このような最先端技術がもたらすメリットを,我々の患者様に提供できることを大変嬉しく思います」と語っている。
Aquilion ONEの開発に協力した藤田保健衛生大学病院 放射線科 教授 片田和広氏は,「Aquilion ONEは国内より北米大陸のほうが多く設置されていることで判るように,世界的に高く評価されています。1回転で臓器全体を撮影することで生体の動態のボリュームデータ収集を可能にした面検出器CTは,まさに次世代のCTと言って良いでしょう。この500台を1ステップとして,さらなる進化を期待しています」とコメントしている。
また,500台生産記念をむかえ,同社常務 CT事業部部長 信太泰雄氏は「次世代エリアディテクター CTとして誕生したAquilion ONEは, お客様の経験と知恵により新たな臨床価値を導き出して頂き,見事500台の生産を達成することができました。7月には,さらに高速・低線量撮影を実現したAquilion ONE / Vision Editionの販売を開始し,Aquilion ONEシリーズとして1000台を目指していきたいと思います。」と語っている。
Aquilion ONEは,開口径78cmのワイドボアで1回転0.275秒の高速・低線量撮影を可能とするVision Edition とGlobal Standard Editionの2つのラインアップとなった。地域中核医療から大学,研究施設までの幅広いシーンにおいて高速,高画質,低被ばくを実現する次世代CTのスタンダードとしてより一層活用され普及することを目指す。 |