人工心臓弁ならびに血行動態モニタリング技術の世界的リーダーであるエドワーズライフサイエンス社の日本法人,エドワーズライフサイエンス(株)は,重症患者の肺血管外水分量※1 を測定するための専用カテーテル「ボリュームビューカテーテル」を,2012年7月9日より全国の医療機関に向けて発売する。
肺血管外水分量は,患者さんの管理指標にくわえることで,集中治療室(ICU)の滞在日数を50%以上減少させる結果が得られる※2 など,患者さんの早期回復につながりえる指標として注目されている。
※カテーテルとCVC マニフォールドのセット販売
● 「ボリュームビューカテーテル」の特長
1. 肺の状態を含めたモニタリングで,重症患者の急激な変化にも,より迅速な対応が可能に
手術室(OR)や集中治療室(ICU),及び救急領域(ER)などのクリティカルケアにおいては,患者さんの状態が急激に変化する可能性をはらんでいるため,より注意深い観察(=モニタリング)が必要。
新発売の「ボリュームビューカテーテル」は,エドワーズのほかの循環動態モニタリング製品と併せて使用すると,従来の心臓,血管,血流の状態に加えて,肺の状態までもモニタリングすることが可能となる。これらの重要な指標を総合的に把握することで,患者状態の急激な変化に,よりいっそう迅速に対応できる。
エドワーズの循環動態モニタリング製品ラインナップに「ボリュームビューカテーテル」が加わることで,患者さんの重症度に応じて,使用できる製品の選択肢がさらに広がる。
なお,「ボリュームビューカテーテル」を加えたモニタリングが有用とされる症例は以下のとおり。
- ショックや肺水腫により呼吸状態の悪化を認め,循環・呼吸管理に厳密な水分コントロールが必要になる症例。
- 心不全や熱傷,敗血症,多発外傷肺炎,ハイリスク手術後などの重症症例。
2. 数値で見ると複雑な,心臓,肺,血管,血流の情報を, EV1000※3 のグラフィックで,わかりやすく直観的に表示
「ボリュームビューカテーテル」は,エドワーズの次世代型の循環管理モニター EV1000クリニカルプラットフォーム(EV1000)に接続して使用する。
「ボリュームビューカテーテル」で得られた情報をEV1000で表示することで,医師は患者状態を視覚的,且つ直観的に認識することができる。たとえばフィジオビュー画面では,肺,心臓,血管の状態を,グラフィックを用いて表示するので,数値のみを表示する場合よりも患者状態をイメージしやすくし,次に患者さんに施すべき治療方針の決定をサポートする。
※1 肺血管外水分量とは:肺水腫の状態把握に用いられる指標。 EV1000上では,肺の中に水が溜まるイメージとして表示される。
※2 従来の肺動脈楔入(せつにゅう)圧で管理したグループと肺血管外水分量で管理したグループを比較すると, ICU滞在日数を 53%減少させる結果が得られている。 Mitchell JP et al. Improved outcome based on fluid management in critically ill patient requiring pulmonary artery cathetherzation. Am Rev Respir Dis 1992: 145(5):990-8
※3 EV1000とは:数字のデータに加えて,信号機のようにカラーコード化して表示する画面や,アニメーションを使用した画面により,患者状態の直観的な把握が可能なモニター。また,タッチスクリーンで簡単に操作でき,患者状態に応じてデバイスの選択が可能。ボリュームビューカテーテルは, EV1000の最新バージョン(ver.1.3)との接続が可能。販売名:EV1000クリティカルケアモニター (22300BZX00363) |