カプセル内視鏡を販売するギブン・イメージング(株)は,カプセル内視鏡検査前に実施する崩壊性カプセル「PillCam® パテンシーカプセル」(承認番号:22400BZX00106000)を使用した開通性評価技術が7月1日,保険適用されたことを発表した。
同じく7月1日,従来,小腸カプセル内視鏡検査において原因不明の消化管出血だけが保険適用であったが,PillCam® SB 2 plus カプセルを使用することで,小腸疾患が既知又は疑われる患者すべての小腸カプセル内視鏡検査が保険適用できることが日本の厚生労働省より通知された。また,PillCam® SB 2 plus カプセルは,特定保険医療材料として収載された。
PillCam® パテンシーカプセルは,消化管(小腸)の狭窄又は狭小化を有する,あるいは疑われる患者に対して,カプセル内視鏡を使用する前に消化管の開通性を評価するために使用するバリウム(造影剤)入りのカプセル。
本カプセルは,小腸疾患の診断のためにクローン病等の小腸疾患患者およびその疑いがある患者に対して使用されるPillCam® SB 2 plus カプセルとともに,2012年3月に新規承認を日本の厚生労働省から取得した。
従来,小腸カプセル内視鏡検査において禁忌疾患であったクローン病患者をはじめ小腸疾患の疑いのある患者に対して,安全かつ低侵襲な方法で小腸の画像診断検査が可能になる。
PillCam® パテンシーカプセルを使用した開通性評価技術は,当面の間,診療報酬区分D298-2 内視鏡下嚥下機能検査(600 点)に準じて算定することとなった。
今回の保険適用により,さらに医療現場において広く利用でき,国内のクローン病患者のQOLに貢献できるものとしている。
開通性評価用の崩壊性カプセル「PillCam® パテンシーカプセル」の特長は以下の通り。
- 消化管(小腸)の狭窄又は狭小化を有する,あるいは疑われる患者に対してPillCam® SB 2 plus カプセル内視鏡を使用する前に消化管の開通性を評価する
- 大き目のビタミン剤サイズのカプセル(26 mm×11 mm)を飲み込むだけで検査が行えるため,従来の評価方法(注腸造影など)に比べて侵襲性が低く,患者さんへの身体的負担が軽減される
- 狭窄部で停滞した場合においても,嚥下後,100時間〜200時間以内に自然崩壊し,非溶解性のコーティング膜だけが自然排出される
PillCam® パテンシーカプセル
保険適用日:2012年7月1日
販売開始日 : 2012年7月1日
診療報酬点数:600 点
「D298-2 内視鏡下嚥下機能検査に準じて算定」
PillCam® SB 2 plus カプセル
保険適用日:2012年7月1日
販売開始日:2012年7月1日
特定保険医療材料費:77,200円
診療報酬点数:1,700 点「D310 小腸ファイバースコピー」 |