(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは,7月2日より, MRI(磁気共鳴画像診断装置)対応の生体情報モニタ「Invivo Essential(インヴィボ・エッセンシャル)」および「Invivo Expression(インヴィボ・エクスプレッション)」の2機種(以下「Invivo MRI対応生体情報モニタ」)の販売を開始することを発表した。「Invivo MRI対応生体情報モニタ」は,MRI検査室で使用される世界シェア No.1の生体情報モニタとして,世界各国の医療施設において好評を得ており,全世界で一万台以上の累計販売実績を誇る製品。なかでも「Invivo Essential」は,ガウス(磁束密度)の制限の無い,世界初のMRI対応生体情報モニタとなる。
Invivo Essential |
Invivo Expression |
MRI検査室は強力な磁場が発生しているため,通常の生体情報モニタの使用は吸着という問題があり,患者さんの安全確保の観点では最大の問題点となる。安全を確保するということでは,鎮静下における各計測項目の精度を確保することも重要。またMRI画像に対して生体情報モニタが干渉するなど,ノイズ源となる問題もある。「Invivo MRI対応生体情報モニタ」は,これらの課題に対して十分な対策を施しているまさにMRI対応の生体情報モニタ。「Invivo MRI対応生体情報モニタ」は他のMRI対応とされている製品とは異なり,高磁場内での使用というニーズに応えることを念頭に置いて一から設計,開発された製品で,鎮静下のMRI検査における患者さんの安全確保とともに,医療スタッフが安心できる生体情報モニタリング環境を提供する。
「Invivo MRI対応生体情報モニタ」の希望販売価格は,「Invivo Essential」が150万円から,「Invivo Expression」が700万円からで(共に税込,仕様により異なる),年間の販売目標台数は両機種合わせて約150台を見込んでいる。
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン代表取締役社長ダニー・リスバーグ氏は,「フィリップスは,世界 No.1のシェアを持つ『Invivo MRI対応生体情報モニタ』を日本に展開することにより,日本においても鎮静下の MRI検査時における患者様のモニタリングという臨床ニーズに応え,顧客満足度の向上を図れると確信しています。更なるきめ細やかなサポート体制の拡充を図りながら, MRI導入病院へのモニタリング・ソリューションを浸透させていきたいと考えています」と述べている。
●「Invivo MRI対応生体情報モニタ」の主な特長
「Invivo Essential」
- SpO2(血中酸素飽和度),脈拍数の測定が可能
- ガウス制限のない MRI対応生体情報モニタ
- 無線 SpO2モニタリングにより,精度の高い SpO2値と迅速な取り込みを実現するとともに,一部の MRIシステムとの脈波同期にも対応
- 米国食品医薬局(FDA)から認可を受けている唯一のタッチスクリーン型 MRI対応生体情報モニタ
- 新生児から成人までの幅広い患者さんの SpO2のモニタリングが可能
「Invivo Expression」
- ECG(心電図),SpO2,脈拍数 /心拍数, etCO2(呼気終末二酸化炭素濃度),呼吸数, NIBP(非観血血圧),IBP(観血血圧),麻酔ガス,体温の測定が可能
- 5000ガウス磁場ライン, SAR 4 W/Kgで安全に動作
- ECGケーブルを短くして過熱のリスクを低くするとともに,独自のワンピース設計で装着面の広いゲル付き Quadtrode®電極を採用することで過熱を抑え,患者さんの熱傷のリスクを軽減
- 無線ECGモニタリングでECG波形をモニタリングするとともに,一部のMRIシステムとの心電同期にも対応
- 直接の無線通信によりMRI検査室と操作室の両方で同時に生体情報のモニタリングが可能
- 包括的な感染対策が可能な初の MRI対応生体情報モニタとして,全パラメータともディスポーサブルのアクセサリを用意
●「Invivo MRI対応生体情報モニタ」のメリット
- 「Invivo MRI対応生体情報モニタ」は,測定パラメータや構成にかかわらず MRI画像に干渉しないための設計がされている。そして「Invivo Essential」,「Invivo Expression」共に, 1.5T/3.0T(テスラ)の MRI装置の環境で干渉せず問題なく使用可能であることを試験により確認済みであり,フィリップスならびに他社の主要な MRI装置と併用が可能。
- 「Invivo MRI対応生体情報モニタ」の無線技術と,「Invivo Essential」と「Invivo Expression」という2つのモニタを組み合わせることで,鎮静処置から検査,搬送,回復までの一連のワークフローを,1つの無線モジュールによりシームレスな連携を実現しワークフローを改善する。
- MRI操作室に設置する「Invivo Expression」の無線ディスプレイコントローラユニットはRS232のインタフェースを標準で備えており,麻酔記録システム,リサーチデータ収集システムをはじめとした,主要な院内情報システムとの統合に対応している。
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