ソニーは,医療現場における様々な映像を統合し,最大で4つの映像を1画面に合成して表示でき,ネットワークを介して合成した映像を送信することもできる,イメージマルチプレクサ−「VMI-40MD」を発売する。本機は,ソニーの放送制作用スイッチャーの開発で培った,複数映像ソースのリアルタイム合成処理技術を応用し,手術室内映像のライブ共有や遠隔医療支援に向けて市場に新たに提案する商品。
医療現場には,手術部位を撮影した術野映像や生体情報データといった臨床情報をライブで院内共有して,手術の適切な進行の手助けにする,あるいは教育用途として活用するといったニーズがあるが,そのためには複数の機器を繋がねばならず,信号変換機や複雑な配線が必要となっているのが現状である。
本機の導入により,1台で複数の臨床情報を合成し映像を出力できるため,臨床情報の共有や管理が容易に行えるようになる。さらに,1つのイーサネット回線を通じて複数の臨床情報を送れることから,院内のネットワーク帯域の削減にも繋がる。また,同一病院内の情報共有管理のみならず,遠隔地の医療機関と接続することで,手術や救急処置の進捗情報の共有,支援・指導といった,遠隔医療支援も可能になる。
●「VMI-40MD」について
「VMI-40MD」は,入力した複数の臨床情報を統合して最大4つの映像を1画面に合成します。同時に,入力映像の中から選択された1画面をアナログRGBから出力することもできる。合成画面のレイアウトパターンは最大7パターンから選ぶことができ,外付けUSBメモリーに合成映像の静止画記録もできる。
また,HDMIやSD/HD-SDIとコンポジット,DVI-D・アナログRGBなどの豊富な入力信号に対応しているため,術野カメラ,術場カメラのみならず内視鏡,超音波診断装置,生体情報モニター,PACS端末といった医療現場に存在する様々な映像装置との接続が可能。
合成した映像は,HDMI・HD-SDI・コンポジット・アナログRGB・アナログコンポーネントなど豊富な映像信号で出力できる。
さらに,ソニーのビデオ会議システム「PCS-XG80」に接続した際には,遠隔地から画面パターンの切り替えや静止画記録などの制御が可能になる。
ソニーは,本機を,主に手術室や救急治療室が設置されている医療機関,いわゆる急性期病院や,遠隔医療支援を必要とする地方の医療機関,遠隔医療支援を実施している地域の基幹病院へ向けて提案する。
●遠隔医療支援
医療機関間または同一病院内においてオペや救急処置の進捗状況の共有,支援・指導などを行える。
●医療情報を統合して記録
術野カメラ,術場カメラのみならず内視鏡,超音波診断装置,生体情報モニター,PACS端末といった医療現場に存在する様々な映像装置からの映像を統合し,メディカルHDレコーダー「HVO-1000MD」「HVO-3000MT」で記録できる。
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