※2012年5月22日発表翻訳
ギブン・イメージング社は5月22日,PillCam® COLON 2のレジメンの院外での実施可能性を評価したデータを含め,PillCam® COLON 2に関する複数の新しい研究結果が報告されていると発表した。これらの研究結果は,5月19日から22日までサンディエゴで開催されている米国消化器病週間(DDW)の米国消化器内視鏡学会(ASGE:American Society for Gastrointestinal Endoscopy)研究フォーラムで発表されている。
イスラエル・エルサレムのビクール・ホリム病院消化器科のDr. Samuel Adlerは,「PillCam® COLON 2による大腸カプセル内視鏡検査のレジメンは病院内でなくても実施可能である」(抄録219)と題し,PillCam® COLON 2は大腸がん検診ガイドラインに基づいた内容で受診率を向上させる可能性があることを示した。
Dr. Samuel Adlerは次のように述べている。「PillCam® COLON 2は鎮静剤や送気を必要とせずに実施でき,従来の大腸内視鏡検査では見落としてしまう可能性があるポリープを検出することもあります。今回の研究で病院内でなくてもPillCam® COLON 2のレジメンが実施でき,その有用性が実証されました。本研究の知見は,特に従来の大腸内視鏡検査を嫌がる患者や検査に耐えられない患者を含め,大腸がん検診ガイドラインで勧告されている検診を受診する患者を増やすことにつながります。」
スペイン・セビリアのヴィルゲン・マカレナ大学病院消化器科のDr. Mileidis E. San Juan-Acostaらは,「潰瘍性大腸炎患者の大腸粘膜評価におけるPillCam® COLON (C2)と大腸内視鏡検査の比較(予備データ)」(Mo 1390)と題し,PillCam® COLON (C2)は潰瘍性大腸炎の重症度と範囲を大腸内視鏡検査と同程度に評価することができると結論している。本研究の予備データでは,PillCam® COLON (C2)と大腸内視鏡検査とで統計学的な有意差が示されなかったことから,PillCam® COLON (C2)を潰瘍性大腸炎に新規適応できる可能性があることが示された。
ギブン・イメージング社のホミ・シャミール社長兼最高経営責任者は次のように述べている。 「PillCam® COLONの有用性と臨床的価値を新しい適応状況や疾患で評価し続けてくれている世界中の医師に感謝申し上げます。当社は,PillCam® COLON iPadアプリの提供をはじめ,臨床データ,患者タイプ,大腸検査オプションなどの情報を総合的に提供する患者様向けPillCam® COLONウェブサイトをPillCam® COLON 2が販売されている各市場で立ち上げるなど,消化管疾患に関する新しい情報源を提供し,現在利用可能なすべての大腸検査モダリティをも含めた患者教育に努めています。PillCam® COLONウェブサイトは,米国を除き2012年5月19日から pillcamcolon.com で閲覧することができます。」
イタリア・ローマのカトリック大学消化器内視鏡科のDr. Cristiano Spadaらは,「臨床現場における大腸用カプセル内視鏡検査の導入と実施に関する初めてのガイドライン」(Tu 1652)と題するポスター発表で,臨床診療における4つのキーポイントについて論じ,大腸用カプセル内視鏡検査を臨床現場および日常業務に導入して実践する方法に関する総合的な枠組みを提示している。Dr. Cristiano Spadaらが主導するガイドラインは専門家の意見をベースに策定され,欧州消化管内視鏡学会(ESGE)の公式機関誌である『Endoscopy』5月号に発表されたばかりである。このガイドラインは,新しいエビデンスが確認され次第,2014年またはそれより前に再検討されることになっている。
※ PillCam® COLON 2は現在のところ,米国,日本での薬事承認を取得していない。
■PillCam® COLON 2 について
PillCam® COLON 2カプセル内視鏡には,2台の小型カラービデオカメラ(両側に1台ずつ),バッテリー,LED光源が装備され,サイズは11mm×31mm。患者がPillCam® COLON 2を嚥下すると,約10時間にわたって毎秒最高35枚の画像が撮影され,患者に装着した記録装置に転送される。この記録装置からコンピュータにデータが転送され,RAPID® ソフトウェアを使ってビデオ画像として編集され,医師がPillCam® 検査の結果を評価・報告することができる。
すべての医療処置にはリスクが伴う。PillCam® カプセル内視鏡には,カプセルの滞留と誤嚥,皮膚刺激のリスクがある。PillCam® COLONカプセル内視鏡は検査のために患者に処方する薬剤,すなわち現在大腸用内視鏡検査に使用されている薬剤に伴うリスクや,緩下剤のラベル表示や医師の判断に従ってPillCam® COLONレジメンで処方される調製薬や薬物療法に対するアレルギーまたは他の既知の禁忌などの追加的なリスクを伴う。合併症が発生した場合は,医療的,内視鏡的,外科的介入が必要になることがある。 |