シーメンスヘルスケアセクター(以下 シーメンス)とバリアン メディカル システムズ(以下 バリアン)は4月25日,画像誘導放射線治療と放射線手術に関する,最先端の診断および治療ソリューションやサービスを提供する戦略的なグローバルパートナーシップの契約締結を発表した。本提携には,グローバルの放射線腫瘍領域における,画像診断および治療製品の上市や相互販売を含む。さらに,シーメンスとバリアンの治療システムのソフトウェアインターフェースの開発も含んでいる。両社は画像誘導放射線治療や放射線手術に関する新製品の共同開発に対しても投資を行っていく。
本提携により,日本国内においては,(株)バリアン メディカル システムズは放射線腫瘍領域の施設に対してシーメンスのCT,PET/CT,MRIなどの画像診断機器を顧客に提供する予定。
同様にシーメンス・ジャパン(株)は,バリアンの放射線治療や放射線手術の装置およびソフトウェアを顧客に提供する予定。これにより,両社は臨床現場における画像診断から治療までのワークフロー全体をサポートする包括的なソリューションを提供することが可能になる。
シーメンスは,日本を含め世界中に設置されている約2,000台のリニアックに対するサービスとサポートを継続して提供。本提携によりシーメンスの顧客は,リニアックの更新の際に,インターフェースを含むバリアンの装置へ円滑な移行など,より多くの選択肢を持つことができる。
さらに,バリアンとシーメンスは共同でバリアンのOIS(Oncology Information System)であるARIATMとシーメンスのリニアックおよび画像システムを接続するインターフェースを開発する。これによりワークフローの改善とオペレーションの合理化を実現するオプションを,顧客に提供することが可能になる。
本提携によりバリアンとシーメンスの共同開発が実現し,がん治療施設に両社の強みと技術を活用した新たな画像診断や治療ソリューションを提供することが可能となる。
「この提携に基づく素晴らしい開発によりバリアンは臨床現場でのサービスを向上,拡充することができ,世界中のがん患者に貢献できると考えています」と,バリアン メディカル システムズ社のCEOのティム・ガーティン氏は語っている。
また,「シーメンスとバリアンを強力にリンクさせるソフトウェアとアーキテクチャを構築することで,新たな画像診断および治療の選択肢を医療施設に提供することができます。また,今回のパートナーシップ契約のもう一つの大きな目的は,とくに新興市場においてイノベーションを加速し,有益かつ効率的なソリューションを提供できるということです」とも述べている。
「シーメンスの“ヘルスケアアジェンダ2013(Agenda 2013)”の歩みのなかで,私たちは,がん放射線治療において画像診断のパートナーとして選択される企業としての地位を築くことを目標としています」とシーメンス放射線治療ビジネス部門およびCTビジネス部門のCEOであるウォルター・メルツェンドルファー氏は述べている。また,「今回の提携により,シーメンスはグローバル放射線治療ビジネスにおいて貢献を続け,高品質の画像診断および治療ソリューションにおいて,この分野でのコア・コンピタンスとエンジニアリング・エクセレンスを発揮し,世界中のがん患者の治療向上に貢献することができます」とも語っている。 |