富士通(株)は,ライフサイエンス分野におけるソリューション提供を強化するため,品質マネジメントシステムの大手グローバルプロバイダーMasterControl Inc.(以下,マスターコントロール)と,日本における同社製品の販売契約を締結した。
富士通は,4月19日より,主に,グローバルに展開する製薬および医療機器ベンダーに向けて,マスターコントロール社の全8製品を提供開始する。あわせて,品質マネジメントシステム(QMS:Quality Management System)のコンサルティング,構築ならびにサポートサービスを提供する。
近年,ライフサイエンス分野では,世界的な医薬品・医療機器に対する安全性重視の流れをうけ,コンプライアンスに対する要求がかつてないほど高まっている。特に製薬業界においては,ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)での標準化活動に伴い,日米欧3極でのリスク管理体制の構築やグローバルでの品質保証体制の確立など,より包括的な品質マネジメントシステムの確立が急務となっている。
富士通は,長年にわたりライフサイエンス分野において研究開発を支援する業務システムを提供しており,トップシェアの導入実績を有している。また,マスターコントロールは,製薬および医療機器ベンダーなどの査察を行う米国食品医薬局(FDA)をはじめ,550社以上のお客様に品質マネジメントシステムの電子化を支援するソフトウェアを提供しており,世界の製薬会社トップ20社の半数以上に導入されている。
今回,両社のライフサイエンス分野におけるソリューション実績とノウハウを結集し,顧客の業務システムと連携したトータルQMSソリューションを提供することで,ライフサイエンス分野の顧客の規制対応とグローバルでの競争力強化に貢献していく。
今後,両社は,アライアンス強化を図り,両社のソリューションに関する連携機能の開発や,クラウドへの対応などサービスを拡充するとともに,欧米でのライフサイエンス分野における品質向上を目指した新しいサービスモデルの提供を行っていく。具体的には,GCP業務支援システム国内トップシェアの富士通製「DDworks21」と連携して,グローバル治験に対応するソリューションの提供を予定している。
●富士通が提供するマスターコントロール社の製品
- MasterControl Documents™: コンプライアンス業界の品質保証・品質管理に特化した文書管理ソフトウェア
- MasterControl Process™: CAPA (Corrective Action Preventive Action)や逸脱,変更管理,不適合などの品質イベント管理ソフトウェア
- MasterControl Training™: 文書管理と連携可能で,業務の習熟度を把握するための教育管理ソフトウェア
- MasterControl Audit™: 監査報告書の発行,監査計画の策定,進捗管理などを支援する監査業務管理ソフトウェア
- MasterControl Projects™: プロジェクト管理ソフトウェア
- MasterControl Risk™: リスク管理ソフトウェア
- MasterControl Supplier™: サプライヤー管理ソフトウェア
- MasterControl BOM™: BOM(部品表)管理ソフトウェア
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