東芝メディカルシステムズ(株)は,新機能を搭載し,デザインを一新させた1.5テスラMRI装置「Vantage Titan™」(ヴァンテージ タイタン)の販売を開始する。
新システムでは東芝MRIのプラットフォームである「M-Power」の機能強化を行い,検査効率の向上をはかった。特に今回採用する心臓領域の新しいアプリケーション「CardioLine」は,心臓MRI検査での検査ワークフローを改善するとともに,被験者の負担を軽減する。
MRI装置は,X線の被ばくが無く,任意の断面を撮像することが可能。また,造影剤を用いず血管や膵管,胆管などの任意の管腔も描出できる非造影MRI検査など,非侵襲的な検査も可能とするので,小さなお子さんやお年寄りまで患者さんにやさしい検査を提供できる。
しかし一方で,検査中の騒音や狭い検査空間,長い検査時間など,検査環境における患者さんに対する心身の負担が問題となり,よりいっそうの改善が求められていた。
そこで東芝は,多くの患者さんによりやさしいMRI検査を提供し,同時に高精細画像へのニーズにも応えるため新たな装置デザイン・新機能によるMRI装置を開発した。
●主な特長
(1) 「CardioLine」で心臓MRI検査をより身近に
「CardioLine」は心臓MRI検査の最初に行われる基準断面の煩雑な位置決め作業が解消し,検査時間の短縮が可能となり,心臓領域での検査ワークフローを改善するとともに,被験者の負担を軽減する。
(2) 71センチの開口径と静音化技術「Pianissimo™」を継承
Vantage Titanシリーズとして3テスラに続く1.5テスラのラインナップとなる本システムは,架台開口径を71cmのオープンボアの設計となっている。これにより従来の65pの開口径と比べ,検査空間が134%広くなり,検査が困難であった体の大きな方や腰の曲がった方,仰向け姿勢の困難な方など様々な患者さんの検査が可能となる。また,新架台にも静音化技術Pianissimoを採用し,検査時の騒音を聴感で最大90%静音化させている。
(3) 新デザインを採用
装置外観デザインを一新し,光を用いた癒し,やすらぎの演出により人(患者)と人(医師/技師)の コミュニケーション,人(患者,医師/技師)と装置, 環境の関係をよりスムーズにしスループットの向上と快適に検査を受けられるよう検査室環境の演出を行った。
(4) 「エコモード」搭載
従来システムでは待機状態においても,安定稼働のため一部の電源がONになったままだった。本システムでは安定稼働を維持しながら電源OFFの範囲を拡大する「エコモード」を搭載。エコモードにより,年間15,500kw/hの消費電力が削減される。これは一般家庭4.2軒分の年間消費電力に匹敵する。 |