東芝メディカルシステムズ(株)は,大腸がんの早期発見に有用なCT製品の提供を拡充する。
日本人の大腸がん罹患率は増え続けており,早期発見により治癒する可能性が高くなるとされながら,精密検査の受診率が低いことから死亡率が高く,現在では部位別死亡者数が男性で第3位,女性で第1位となっている。
がん対策基本法に基づく「がん対策推進基本計画」では,がん検診の受診率を50%以上にすることが目標として挙げられている。本年1月にはCTコロノグラフィー(CTC)が保険適用となり,16列以上のCTを使用し,直腸用チューブを用いて二酸化炭素を注入し,下部消化管をCT撮影した上で三次元画像処理を行った場合に600点の加算が認められた。侵襲性が低く,また受診者受容性の高いCTCの今後の普及と大腸がん検診への寄与が期待される。
同社はこれまで国内のがん拠点施設や消化器専門施設との共同研究により,世界初となるCTC専用寝台マット(図1)の開発,世界最薄0.5mmスライスによる大腸がん描出能の評価,低線量撮影技術AIDR 3Dを用いた低線量CTCなど,高精度の大腸がんCT検診を支援するための技術開発を行なってきた。
図1 腹臥位,仰臥位の2体位に対応可能なCTC専用寝台マット
4月2日,エーザイ(株)の診断事業子会社であるエーディア(株)とCTC用炭酸ガス送気装置「プロトCO2L」の売買契約を締結し,大腸がんCT検診を導入しやすくするためのCTCパッケージを4月から販売する。これまでに培ったノウハウを生かし,高い運用効率を考慮した大腸がんCT検診スキームを提案していく。 |