ギブン・イメージング社は,3月29日,PillCam® SBカプセル内視鏡検査前に使用するPillCam®パテンシーカプセル,ならびにクローン病の病変検出と診断を含む小腸疾患患者およびその疑いがある患者に対するPillCam® SBカプセル内視鏡の追加適応の承認を,日本の厚生労働省から取得したことを発表した。
PillCam®パテンシーカプセルは,PillCam® SBカプセル内視鏡の小腸通過を妨げる恐れがある障害や狭窄の有無を評価することができる崩壊性のカプセル。
学校法人獨協学園 理事長・獨協医科大学 名誉学長であり,日本カプセル内視鏡研究会 代表世話人でもある寺野彰博士は次のように述べている。
「PillCam® SBは日本の消化器専門医による小腸疾患の診断と治療の方法を一新しました。今回の追加承認により,クローン病に苦しむ患者も含め,より多くの消化管疾患の患者を安全に診断し,かつモニタリングできる新しいツールがようやく日本でも利用できるようになります。」
PillCam® SBカプセル内視鏡は,原因不明の消化管出血(OGIB)を適応対象として,2007年4月に厚生労働省からの承認を取得した。2007年10月以来,日本の1億500万人の成人を対象として,PillCam® SBカプセル内視鏡検査はOGIBに使用された場合に保険適用となっている。ギブン・イメージング社では,今回承認された追加適応についても後日,保険適用申請を予定している。
ギブン・イメージング社のホミ・シャミール社長兼最高経営責任者は次のように述べている。
「クローン病などの消化管疾患を患う日本の患者様の病変観察と管理に,PillCam® SBを使用できるようになったことを非常に喜んでいます。また,パテンシーカプセルは日本のお客様にギブン・イメージング社だけが提供している製品であり,狭窄などが疑われる患者様にPillCam® SBを安全かつ効果的に使用してもらうために,非常に待ち望まれていた製品です。」
■クローン病について
クローン病とは,小腸の内側の粘膜が炎症を引き起こし,消化管のあらゆる部分に影響を及ぼしうる慢性疾患。症状には,下痢,腹痛,体重減少,直腸出血などが挙げられる。クローン病患者の約75%は,小腸全体(十二指腸,空腸,または回腸を含む)で診断され,約30%は小腸だけで診断される。その他にも,クローン病は大腸のみで診断される場合や胃と(場合によっては)食道で診断される場合もある。男性,女性の性差はなく発症する。原因は不明だが,最も支持されている学説は,炎症の原因となるウイルスまたは細菌に免疫系が反応しているという説。治療選択肢は,重症度に応じて,栄養補助剤,薬物の投与,手術などがある。現在のところ,この疾患の根治法はない。 |