(株)ナナオは,X線撮影装置などからの患者や医師の被曝量低減に寄与する機能を備えた19型液晶モニター「EIZO SMD 19102 DL」 を,ドイツの子会社EIZO GmbH にて開発および生産し,ドイツや米国市場向けに販売を開始した。
SMD 19102 DLは,表示画像をモニター本体内に保持するLast Image Hold(LIH)機能を装備している。この機能により,映像出力機器からの入力信号が無くなっても,当モニターは画像を表示し続けることが可能。
一部の旧式のX線撮影装置と通常の画像表示モニターの組み合わせにおいては,医師が撮影内容を確認するために,患者に放射線を一定時間照射し続ける必要があった。しかし,今回開発したSMD 19102 DLのLIH機能を利用することで,照射時間を短縮することが可能になり,患者や医師の被曝量の低減につながる。
ドイツや米国においては,X線撮影表示装置にLIHの機能を搭載することが義務付けられており,同機能未搭載である旧式の装置においては対応が必須となっている。この規制に対して同社では,ドイツ子会社において同機能を搭載した液晶モニターの開発と生産を行い,これらの市場向けに販売を行っている。なお,日本国内ではLIH機能搭載済の撮影装置が普及しているため,当モニターの国内販売は予定していない。 |