富士通は,診療所向け医事・電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-RX(ホープ イージーメイン アールエックス)」に,「HumanBridge(ヒューマンブリッジ)」を含む地域医療ネットワークを利用して他医療機関との診療情報を相互参照できる機能を追加し,3月8日より提供を開始する。
今回の追加機能により,「HumanBridge」を含む地域医療ネットワークを利用して,診療所と他医療機関はそれぞれ個別に保持する診療情報を相互参照することができる。
これにより,患者の診療内容は地域内のどの医療機関からでもすぐに確認できるため,検査や投薬の重複などを避けることができるほか,救急外来などの即時性が求められる診療においても,迅速で的確な医療サービスが可能になる。
地域連携ネットワークとの接続イメージ図
●主な特長
1. 診療所のカルテ情報を他医療機関と共有
患者からカルテ情報公開の同意を得ることにより,診療所で保持されているオーダー,プロファイル,病名,検査結果,薬歴,などの情報を,地域医療ネットワークに接続した他の医療機関からの要請に応じて提供できる。これまでの診療を正確に把握できるため,検査や投薬などの重複を避けることができ,効率的な診療を実施できる。また,カルテ情報の提供が可能になることで,離島,過疎地域の診療所と中核病院との連携において,一貫した質の高い医療サービスの提供を支援できる。
2. 「HumanBridge」を利用したスムーズな連携を実現
同社の地域医療連携ネットワーク「HumanBridge」を利用することで,リアルタイムな他医療機関との情報共有が可能になる。救急外来などで即時性が求められるケースにおいて,より迅速に患者の受診歴を確認することができる。さらに,「HOPE/EGMAIN-RX」を「HumanBridge」に接続する際に,接続用の新たなサーバを導入する必要がないため,低コストでシステムを構築できる。
3. SS-MIX標準化ストレージへの対応
「HumanBridge」以外にも,SS-MIX標準化ストレージの技術を使った地域医療連携ネットワークを利用して他の医療機関への診療情報の提供実績もあり,システムに捉われない地域医療の質の向上への貢献を目指している。
4. 万全なセキュリティ対策により患者情報を連携
地域連携ネットワークへの接続においては厚生労働省から提供されている「医療情報システムの安全に関するガイドライン」に準拠したセキュリティ規準を採用しており,安全な患者情報の共有が可能。
5. 電子化による環境への貢献
従来,紙で運用している紹介状や補助資料を電子化できるため,診療所一件当たり年間0.5トンのCO2排出量削減を見込んでいる。 |