コニカミノルタエムジー(株)(以下 コニカミノルタ)は,既存のX線発生装置を利用してDRの長尺撮影ができる「AeroDR(エアロディーアール)長尺システム」を2012年2月23日より発売する。
近年,医療情報のIT化が急速に進む中,X線撮影画像をダイレクトに取得出来るDRが普及してきた。これに伴い,全脊椎や下肢全域などの長尺撮影の際にも,撮影した画像をその場で確認できるDR撮影の普及が期待されている。しかしながら,従来のDR一体型X線発生装置の長尺システムでは,導入コストがかさみ,大病院を中心とした医療機関でしか普及していないのが現状である。
今回発売する「AeroDR長尺システム」は,既存のX線発生装置を利用してDRの長尺撮影ができる画期的なシステム。DRの長尺撮影では分割撮影した画像をつなぎ合わせて1つの画像にするため,複数枚の撮影が必要。従来のDR一体型X線発生装置は,X線管球の動きに連動して受像部であるDRが上下に動く仕組みのため,X線発生装置とDRが一体となっていた。「AeroDR長尺システム」では,DRの上下動に連動してスリットが動くことでX線照射範囲を変えるため,既存のX線発生装置を利用することができる。このため,DR一体型X線発生装置に比べて導入コストを大幅に抑えられ,容易に長尺撮影のDR化を実現することができる。
カセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR」は,独自に開発した同社生産のヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)使用により,CRに比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができるので,患者の被曝量を低減することができる。また,X線曝射後1秒台でコンソールモニターにプレビュー画像が表示されるので,撮影毎にポジショニング等が適正であったかを瞬時に確認することができる。
さらに,CRによる長尺撮影に比べ,撮影前準備や撮影後のカセッテ読取作業が不要なため,検査時間の大幅な短縮が可能になり,より多くの医療現場でX線照射量の低減とデジタル画像診断のさらなる効率化に貢献できるものとしている。
●主な特長
1.既存のX線発生装置が利用可能
撮影したい範囲全体にX線が当たるようにX線照射野をセットし,X線管球の前にX線オートバリアユニットを設置することで,DRの上下動に連動してスリットが動き,X線の照射範囲を適切に移動させる。
このため,「AeroDR長尺システム」は特別なX線発生装置を必要とせず,既存のものをそのまま利用することができる。
2.合計X線照射量はCRの約半分
ヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)をTFTセンサーパネル上に直接接触させる「直接貼りあわせ技術」と独自のCsI柱状結晶成長技術により,CRに比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができる。
3.曝射完了後1秒台でプレビュー画像表示
X線曝射後1秒台でコンソールモニターにプレビュー画像が表示されるので,撮影毎にポジショニング等が適正であったかを瞬時に確認することができ,これまでに無い快適な操作性を実現する。 |