地方独立行政法人加古川市民病院機構は,公立病院の自立的運営を実現するために,旧加古川市民病院(公営,405床)と旧神鋼加古川病院(民間,198床)を合併して独立行政法人化し,富士通(株)と共に,6カ月間で人事データを統合して富士通の公団体向け内部情報統合ソリューション「IPKNOWLEDGE(アイピーナレッジ,以下,IPK)」を活用した人事給与システムを構築した。
診療という市民に不可欠なサービスの提供に支障をきたすことなく,地方独立行政法人化を終えた加古川市民病院機構は,IPKを利用することで,人事給与業務の効率化を図り,業務の時間短縮を実現した。
富士通は,これまでの自治体や地方独立行政法人におけるノウハウにより,業務効率化とICT環境最適化を実現するためのコンサルティング,システム構築,および運用サポートを提供している。
加古川市民病院機構は,全国自治体において公営事業の自律的運営,職員人件費の低減,組織のスリム化が求められるなか,公立病院である加古川市民病院と民間病院である神鋼加古川病院の合併と地方独立行政法人化により発足。この発足にあたっては,民間病院と公立病院の給与体系の違いの調整,独立行政法人としての病院の制度の確立と,その制度に準拠した人事給与システムへの移行,人事データ作成,などの一連の作業を,6カ月間という短期間で完了する必要があった。そこで,加古川市民病院機構は,短期間で安定したシステム稼働を実現するために,設立団体である加古川市をはじめとして全国220以上の団体に導入実績があり,那覇市立病院などの地方独立行政法人にも導入実績を持つ,富士通のIPK人事給与システムの導入を決定した。
●IPK人事給与システムの導入効果
加古川市民病院機構の設立団体である加古川市は,IPK人事給与システムを導入済みであるため,加古川市民病院機構の人事給与業務担当者は,特別なトレーニングを必要とせず,本システムを利用することができる。また,IPK人事給与システムでは,基本データがひとつのデータベースに統合されているので,ひとりの人事データ変更に対して複数のテーブルを変更する必要がなくなり,修正作業が効率化された。さらに,給与計算時間も短縮され,結果として,大幅な人事給与業務の時間短縮と効率化を実現できた。
●今後の展開
地域に十分な診療サービスを提供し続けるために,加古川市民病院機構は,IPK人事給与システムを活用して,医師・看護師・スタッフのフレキシブルな勤務条件に柔軟に対応できる人件費管理の仕組みなど,地域医療の拠点としての機能と経営的な自立を維持するための環境を整備していく。
●IPKNOWLEDGEのイメージ
IPKNOWLEDGEで提供するシステムは,財務会計,人事給与,庶務事務,文書管理,旅費管理など,公団体内部の業務で生じるさまざまな情報を一元管理する。人事異動,機構改革,予算管理,制度改正などにあたり,業務間の連携がスムーズになるうえ,全ての業務の決裁を一つの画面上で行える電子決裁機能により,業務効率の向上を実現。また,全ての業務に共通の使いやすい画面デザインにより,操作性を統一し,オペレーションが容易になる。
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