日本GE(株)は,GEの社会貢献組織「GEファンデーション」による,宮城・岩手・福島の被災3県における医療・交通インフラ整備に向けた支援状況について発表した。この支援は,GE会長兼CEOのジェフ・イメルト氏が4月上旬に発表した1,000万ドル相当の復興支援策の一環として行われるもので,被災3県初となる軽自動車のドクターカー「めんこい」の寄贈,ならびに宮城県の県道20号仙台空港線におけるLED道路灯の設置が含まれる。
GEでは3月の東日本大震災発生以降,日本における社員を中心とした活動を通じて被災された方々の救済や被災地の復興支援に尽力しており,その過程で被災3県の関係者の方々から要望の高かった被災地における医療の強化策として,軽自動車のドクターカー「めんこい」11台の寄贈を決定した。被災地である三陸沿岸特有の狭い道や坂道も容易に走行可能な軽自動車のドクターカー「めんこい」には,可搬式の超音波診断装置や心電計,生体情報モニター,骨密度測定装置などの医療機器が搭載されており,被災地域に点在する仮設住宅等への往診等においても,病院・診療所並みの医療機器を活用した診療が可能となる。また,ドクターカー(医師派遣用自動車)として,消防本部の要請があれば,緊急車両としていち早く救急の現場に駆けつけることができ,交通網の寸断により不自由な生活を余儀なくされている被災者の方々の命を一人でも多く守りたいという現場の強いニーズに応えるものと期待される。なお,ドクターカー寄贈に当たり,東北地方の方言であり,多くの方が覚えやすい「めんこい」という愛称にした。
加えて,甚大な津波の被害を受けた宮城県には,仙台空港と国道4号を結ぶ県道20号仙台空港線(仙台空港から2kmまでの地点)の道路灯として,屋外LED照明95本を設置し,交通インフラの再生支援に努めている。LED照明は,光源の特徴として,色の識別が容易であることに加え,必要な箇所に効率的に光を当てる事が可能なため,消費電力を大幅に削減できるほか,CO2排出量の削減にもつながる。
10月27日,日本GE(株)の代表取締役社長兼CEOのマーク・ノーボン氏は宮城県庁にて村井嘉浩知事と懇談し,宮城県への寄贈として,「めんこい」5台と屋外LED照明の設備・機器などを含む支援に関する目録を贈呈した。
目録の寄贈(バックはドクターカー「めんこい」)
右:村井嘉浩 宮城県知事/左:マーク・ノーボン氏 日本GE(株)代表取締役社長兼CEO
今回の寄贈にあたっては,迅速な支援の実現に向け,地方自治体や地元企業などとの緊密な連携を進めた。屋外LED照明は既に設置が完了し,10月1日より点灯開始。また「めんこい」は,宮城県・岩手県に寄贈される8台が11月中に,福島県に寄贈の3台も申請中の認可が取れ次第,運用開始となる見込み。
なお,GEでは「GEファンデーション」を通じた,1,000万ドル相当の寄付に加え,同団体とGE社員のマッチングギフトの合計額280万ドルについても別途寄付する。 |