GEヘルスケアグループ(以下「GE ヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGE ヘルスケア・ジャパン(株)は10月19日(水),超音波で踵(かかと)の骨量を調べる可搬型の超音波踵骨測定装置「A-1000 EXP II(エーセン・イーエックスピー・ツー)」を,診療所(クリニック)の内科を主対象に発売する。
A-1000 EXP II は,現在超音波踵骨測定装置市場で国内トップの4割強のシェアを誇るGEヘルスケアの超音波踵骨測定装置「A-1000(エーセン)」シリーズの最新機種で,2001年に発売したシリーズ第1弾の「A-1000 EXPRESS(エーセン・エクスプレス)」の後継機種。最大の特長は,長年にわたる超音波踵骨測定装置ビジネスで蓄積してきたGEヘルスケアの誇る精度と操作性を維持しながら,シリーズ最速の測定時間と耐久性アップによるランニングコスト低下を実現すること。これらの特長を有する同装置は,骨粗しょう症検査時の測定者の負担軽減と医療機関の診断・経営効率向上に貢献すると期待されている。
A-1000 EXP II の測定時間はGEヘルスケア製超音波踵骨測定装置としては最速の約10秒と,従来機種(以降を含めすべてA-1000 EXPRESS)に比べて最大6分の1に短縮した。これまでは足の動きなどに伴う測定精度の低下や撮影のやり直しによる測定者の負担増大が課題となっていたが,A-1000 EXP IIでは上位機種「A-1000 InSight(エーセン・インサイト)」の技術をもとに超音波を受発信するトランスデューサーを改良することでこの課題を克服。さらに最新の演算処理プロセッサーを搭載することで測定時間の短縮化に成功した。
またA-1000 EXP II では,測定時に踵があたる部分に装着する人工膜「メンブレン」の耐久性を約15倍に高めた。薄いラテックス素材を使用した従来のメンブレンは検査時の伸縮などで約140回で交換する必要があったが,A-1000 EXP II では新たに熱可塑性エラストマ素材を使用するとともに厚みを増した新型メンブレンを採用し,耐用回数を2,000回以上に高めた。超音波踵骨測定装置に不可欠な消耗品であるメンブレンの耐久性を高めることで,医療機関のランニングコスト低減に寄与すると見込まれている。
A-1000 EXP II は,高い精度と操作性を誇るスマートドライ方式ベースに,A-1000シリーズ最速の約10秒の測定時間と2,000回以上使用可能なメンブレンを採用することで,より短時間で高精度の測定を実現し,測定者の負担を大幅に軽減すると見込まれている。また医療機関にとっては,1日当たりの検査数の増加とランニングコストの低下につながるため,診断効率・経営効率に優れた骨粗しょう症検査の実施が可能になると期待されている。
国内の骨粗しょう症の患者数は1,300人と,いまや日本人の10人に1人がかかる国民病でありながら,実際に治療を受けているのはそのうちの2割に過ぎない。また,骨粗しょう症は高齢者が寝たきりになる原因の第3位であり,この割合は今後の高齢化に伴いますます高まると見込まれている。ただ近年は,投薬治療による症状の改善や骨折リスクの低減が可能になってきていることなどから,早期発見・早期治療の重要性がより一層叫ばれており,クリニックなどで新たに骨粗しょう症の診断を開始しようと計画している施設も増えてきている。非侵襲で素早く精度の高い骨密度測定の実現を目指したA-1000 EXP II は,このようなクリニックでの検診に高い有用性を誇ると見込まれている。
●その他の主な特長
- サイズは305 mm(幅)x 281 mm(高さ)x 610 mm(奥行き),重量は13 キロとコンパクトで軽いため,場所を選ばず検査可能
- GEヘルスケア独自のトランスデューサーの採用で,踵へのアルコールスプレー吹き付けで測定可能。
測定後のふき取りが不要なため,測定者や操作者だけでなく,装置の清潔性も向上
- 全体設計を見直し,装置細部にわたる耐水性を強化
- タッチパネル式のカラーモニターを採用。アイコンを中心にしたグラフィック・インターフェースに日本語による操作・表示とレポート機能を搭載し,ユーザーのみならず測定者にも配慮した設計
- 世界標準となっている超音波骨密度指数「スティフネス値」を採用
- 測定結果は内蔵プリンタから自動で印刷可能。測定データの取り出しが可能なUSB ポートも搭載
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