三菱電機(株)は,がん治療に使用される粒子線治療装置「MELTHEA(メルセア)」のラインアップとして,1室タイプの小型陽子線治療装置を製品化した。
近年,粒子線治療装置は性能が広く認知されたことで,従来の放射線治療に替わる次世代放射線治療装置として需要が高まっている。一方,従来の粒子線治療装置はビーム照射時間の効率的な利用を念頭に置いた照射室構成を採用しており,ビームを発生させる加速器1台に対して治療室を2〜3室程度が効率のよい構成とされ,敷地確保の観点から比較的郊外もしくは地方都市に建設されてきた。
同社は今回,1室タイプの小型陽子線治療装置を製品化。これにより,都市部などの狭い敷地にも設置ができる。
●主な特長
1. 小型化により敷地スペースを約35%削減(平面タイプ),都市部での設置に貢献
- 敷地スペースを従来比約35%削減,2階建てタイプでは約60%削減
- ビーム光学系の配置を最適化することなどにより,小型化を実現
- 加速器や回転ガントリーは,信頼性の高い従来の機器を採用
2. 低価格化により,導入が容易に
- 従来,大規模な病院にしか導入できなかった陽子線治療装置が,小型1室タイプでは,約20億円(装置のみの参考価格)から導入可能
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