エドワーズライフサイエンス(株)は,7月12日,大動脈弁用の生体人工心臓弁(生体弁),「カーペンターエドワーズ牛心のう膜生体弁マグナEASE TFX」(以下マグナEASE TFX)の薬事承認を取得した。
マグナEASE TFXは,牛の心臓を包む心膜組織(心のう膜)を加工した生体弁で,弁膜症で機能不全に陥った大動脈弁の代用として使用される。マグナEASE TFXは,世界で最も利用されている生体弁,マグナの最新モデルであり,欧米での2007年発売開始以来,現在までに全世界で約9万人以上の患者さんに使用されている。2011年9月を目処に,全国の医療機関に向けて新規発売開始予定。
●主な特長
■優れた耐久性
一般的に生体弁は,ブタの大動脈弁または牛心のう膜のいずれかを加工して製造されるが,現在,世界で使用される生体弁は,製品の安定性や耐久面での比較から,牛心のう膜製へと集約されつつある。マグナEASE TFXは,従来のカーペンターエドワーズウシ生体弁と同様に牛心のう膜を採用している。マグナと同様に血行動態に優れ,25年以上に及ぶ長期成績を継承する製品である。
また,生体弁は常に,石灰化による劣化という課題に直面しているが,エドワーズは石灰化を抑制する新技術ThermaFix(TFX)を独自に開発し,マグナEASE TFXにはこの最新技術を採用した。TFXは,石灰化の原因となる物質を取り除くことで,生体弁の劣化を抑制させ,さらなる耐久性の向上が期待される。
■医師にも,患者さんにも優しい生体弁
マグナEASE TFXは,同社従来品に比べ,全体的に高さを抑えることで,コンパクト化した。生体弁の植え込みやすさが向上することで,より安全な大動脈弁置換術が期待される。 |